【内装ドア選び】無垢VS突板化粧板どちらがいいか|メリット・デメリットを徹底比較

内装ドアの材質は主に無垢材と化粧板があり、デザインや設置場所、予算に応じて適したドアは異なります。
そこで今回は内装ドアの種類とそれぞれのメリット・デメリットを“木材のプロ”が解説します。
内装ドアの材質選びで迷った際のチェックリストも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●木目を活かせる「無垢材ドア」「突板化粧板ドア」にはそれぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
●恩加島木材は国内外から産地にこだわった良質な突板を仕入れ、高品質で施工性・デザイン性の高い木質内装建材を製造販売しています。
Contents
内装ドアの種類|開閉方式・設置場所・材質

内装ドアには、開閉方式・設置場所・材質それぞれに種類があります。
どの種類を選ぶかによって、空間の利便性やデザイン、予算、メンテナンス方法などが異なりますので、まずはどのようなドアがあるか知ることが重要です。
開閉方式
開き戸
一般的な片開き戸に加えて、有効開口幅を広げられる親子ドアや両開きドアもあります。
引き戸
左右にスライドして開閉するドアで、1本のドアのみ移動する片引き戸と2本のドアが移動する引き違い戸、そのほか、ドアが3枚の3本引き戸などがあります。
ドアを開ける際に建具が空間に出ず、人が移動しなくてよいため、バリアフリーの観点から採用される事例も少なくありません。
折り戸
開けるときにドアが半分に折れるタイプで、主に有効開口幅を広くしたいクローゼットなどの収納空間に設置されます。
設置場所
部屋の出入り口(室内)
住宅・非住宅における各居室の出入り口ドアとして設置されます。
収納扉
クローゼットやシステムキッチンなど収納スペースの扉として設置されます。
材質
無垢材
天然木材をカットしてそのままドアに加工します。
突板化粧板
突板化粧板を面材にして、芯材に集成材フレームやハニカムコア材を用いてドアを製造します。
※ハニカムコア材:紙製の蜂の巣状六角形セルを繋ぎ合わせた材料で、軽量かつ高強度で、コア内の空気によって断熱性にも優れた材質
突板化粧板とは、天然木材を0.2〜0.3mmにスライスした突板を様々な基材(きざい)へ接着したパネル材です。
ちなみに、日本農林(JAS)規格では突板化粧板を「天然木化粧合板」と表記します。(参考:農林水産省|合板の日本農林規格)
その他面材
突板化粧板と構造は同じですが、面材にメラミン化粧板・オレフィン化粧板などを用いて製造します。
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木目にこだわるなら無垢・突板化粧板ドア|共通するメリット・デメリット

ナチュラルなウッドインテリアにこだわる方には、無垢材・突板化粧板ドアがおすすめです。
それぞれ構造や材質は異なりますが、共通するメリットとデメリットがあります。
メリット
- ナチュラルで温かみのある印象になる
- フローリングや板張り天井とトータルコーディネートできる
- 調湿性がある(木材の性質)
- 着色塗装や機能性塗装(耐汚性アップ・日焼け防止等)できる
- 既製品に加えてデザインやサイズをオーダーメイドできる
デメリット
- 塗装製品でも耐水性は高くない
- 硬いものにぶつかると凹みやキズがつく
- 日当たりの良い場所だと紫外線によって経年変色する
ただし、無垢材ドアと突板化粧板ドアは異なるメリットとデメリットがあるため、プランに応じて適切な内装ドアを選びましょう。
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無垢材ドアのメリット・デメリット

無垢材ドアは、ドア厚と等しい厚さの板材を加工して作る建具で、造作部材を追加した装飾タイプや彫刻加工済みタイプもあります。
メリット
ダイナミックな木目
一枚板から作られるドアは継ぎ目のない大きくダイナミックな木目が現れます。
質感が良い
突板化粧板のドアよりも天然木の割合が大きいため、触り心地は柔らかく重厚感があります。
デザインの自由度が高い
シンプルなフラットドアから細かい彫刻を施したりモール材などの造作部材を組み合わせたデザインまで、細かいオーダーが可能です。
採光面積を広くできる
無垢材ドアは強度が高いため、広い面積を明かり取り窓にできます。
耐久性が高い
無垢材ドアは強い衝撃を受けたり強く開け閉めしたりしても壊れにくく高耐久です。
修理・メンテナンスしやすい
無垢材ドアは深いキズやシミがついても研磨(サンディング)によって目立たなくすることができます。
また、建て付けが悪くなった場合も端部を削って調節できるため、100年以上使い続けられている無垢材ドアは珍しくありません。
デメリット
価格が高い
無垢材ドアは天然木の割合が多いため、工業製品である突板化粧板ドアよりも価格は高めです。
樹種が少ない
無垢材ドアは、選べる樹種が限定されるため、木目のレパートリーは多くありません。
希少な樹種や産地を限定した木材で無垢材ドアを作りたい場合は、高いコストがかかる上に、見た目と品質の揃ったドアを多数確保しにくいので注意しましょう。
変形しやすい
天然木は温度や湿度の変化によって、反り・ねじれ・伸縮・木割れなどの変形を起こします。
変形が原因で建て付けが悪くなったり隙間が開いてしまう可能性があるので注意しましょう。
湿度が上がるとドアが膨張して閉められなくなり、逆に乾燥するとドアが収縮して隙間が開く事例は珍しくありません。
ドア本体が重い
無垢材ドアは突板化粧板より重いので、注意しましょう。
ドア本体の重さは樹種やサイズ、デザインによって異なりますが、一般的な片開きドアの場合は20〜40kg程度です。
そのため、開閉するときに力が必要で、丁番やドア枠の仕様によっては重さに耐えられず、使っているうちに段々と建て付けが悪くなるケースもあります。
防火性はない
無垢材ドアは原則として防火性能はありません。
理論上、不燃木材でも内装ドアは造作できますが、コスト面と見た目の観点から採用事例は限られます。
※不燃木材:不燃薬剤を内部まで浸透させた木材で、着火しにくく炭化速度が遅い。ただし、経年によって薬剤が表面に浮き出て結晶化する白華(はっか)現象が起きやすい。
突板化粧板ドアのメリット・デメリット

突板化粧板ドアは、「面材=突板化粧板」と「芯材=集成材のフレーム」を組み合わせた構造で、ドア厚と等しい厚さの板材で作る無垢材ドアとは異なり、内部に中空層があります。
メリット
価格を抑えられる
無垢材ドアよりも天然木の割合が少ないため、価格を抑えられます。
希少で高価な樹種でも採用しやすい点も無垢材ドアと異なる点です。
樹種が豊富
突板は国産材・輸入材問わず多くの樹種から作られる素材です。
そのため、突板化粧板ドアには様々な樹種を採用できます。
国産材よりもさらに産地を限定した地産材(地域材)を採用できる点もポイントです。
※国産材や地産材については「今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説」をご覧ください。
変形しにくい
突板化粧板ドアは無垢材ドアよりも変形するリスクを抑えられます。
※芯材に集成材を用いる場合、全く変形しない訳ではありません。
そのため、季節によって建て付けが悪くなるリスクは無垢材ドアよりも低めです。
ドア本体が軽い
突板化粧板ドアは内部に中空層があるため、無垢材ドアよりも軽い点がメリットです。
突板化粧板ドアは樹種による重さの違いはありませんが、サイズ・デザインによって重量は異なります。
一般的な片開きドアの重さは10〜15kg程度と無垢材ドアの半分以下です。
そのため、開閉が楽で重さによって建て付けが悪くなるケースはあまりありません。
特殊塗装も可能
突板化粧板ドアの面材は、表面の耐摩耗性を高めるUV塗装や日焼け防止塗装、抗菌・抗ウイルス塗装などにも対応しています。
※突板化粧板の塗装については「ウレタン塗装・UV塗装・ラッカー塗装・オイル塗装… 各種木材塗装の違いは?抗ウイルス塗装についても解説」をご覧ください。
防火性をプラスできる
突板化粧板の中には、不燃材料として国土交通大臣の個別認定を受けているものもあるため、それを面材に用いると防火性のある内装ドアを作れます。
ただし、不燃性のある面材を採用してもドアの防火性は芯材によって異なるので注意しましょう。
※不燃材料については「突板不燃化粧板|特徴やメラミン化粧板・化粧ケイカル板との違いを解説」をご覧ください。
デメリット
木目に継ぎ目が現れる
突板の幅は最大でも600mm程度で、それ以上幅のあるドアはどうしても突板を継ぎ合わせなくてはいけません。
木目の継ぎ目を目立たせたくない場合には、まっすぐの直線が並ぶ柾目(まさめ)がおすすめです。
※突板の木目については「木目の違いでイメージが大きく変わる。板目・柾目・杢目の違いや突板の貼り方まで徹底解説」をご覧ください。
質感が固く冷たい
突板化粧板は天然木部分の厚さが薄いため、無垢材ドアと比べると触り心地は固く冷たく感じます。
細かい加工は難しい
突板化粧板は表面材である突板と基材であるMDFなどを接着しているため、彫刻加工やその他の細かい加工はできません。
ただし、化粧板によっては「うづくり・なぐり・オビノコ加工」など多彩なテクスチャーを表現できます。
※化粧板の表面加工については「美しい仕上がりに不可欠なオーダー加工。恩加島木材が誇る各種加工技術とは?」をご覧ください。
衝撃に弱い
突板化粧板ドアは内部に中空層があるので、強い衝撃を受けると穴が開く可能性があります。
修理・メンテナンスが難しい
突板化粧板は表面材と基材で構成されているため、表面を研磨して補修することができません。
細かい擦りキズを防ぎたい方には、UV塗装を施した突板化粧板がおすすめです。
無垢材ドアより採光可能面積は狭い
突板化粧板は構造上、全面窓のデザインを採用できません。
ただし、フレームの強度を確保できる範囲であればドアの上から下までスリット状に明かり取り窓を設けるデザインは実現可能です。
また、突板化粧板ドアを採用する場合は、デメリットを解消できる化粧板を採用することも重要です。
内装ドアを選ぶ際のチェックリスト

無垢材ドア・突板化粧板ドアのメリットとデメリットを踏まえて、内装ドアを選ぶ際のチェックポイントを押さえておきましょう。
コスト | 「コストを抑えたい」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 |
デザイン | 「細かい装飾を施したい」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 「継ぎ目のない大きな木目を取り入れたい」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 「豊富な樹種から選びたい」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 「明かり取り窓を全面に取り入れたい」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 |
質感 | 「吸い付くような柔らかい触り心地を求める」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 |
耐久性 | 「物が強くぶつかる可能性がある」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 「物がよく擦れる場所に設置する」▶︎YES=突板(UV塗装品)/NO=無垢・突板 「強く開け閉めする可能性がある」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 「頻繁に開け閉めする」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 「ドアの両側で温度や湿度の差がある」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 「温度・湿度が変化しやすい場所に設置する」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 「直射日光が当たる場所に設置する」▶︎YES=突板(日焼け防止塗装品)/NO=無垢・突板 |
利便性 | 「軽い力で開け閉めしたい」▶︎YES=突板/NO=無垢・突板 |
修理・メンテナンス | 「キズ補修や塗装を繰り返して何十年も使い続けたい」▶︎YES=無垢/NO=無垢・突板 「メンテナンス手間を少なくしたい」▶︎YES=突板(UV塗装品)/NO=無垢・突板 |
防火性 | 「防火性のあるドアにしたい」▶︎YES=突板(不燃仕様)/NO=無垢・突板 |
高品質な突板化粧板は“恩加島木材”にご相談ください

無垢材ドアのデメリットを解消できるのが突板化粧板ドアです。
突板化粧板の強みはコスト・デザイン性・施工性・耐久性・品質安定性と多岐にわたります。
- 無垢材と同様のナチュラルな見た目と質感に仕上がる。
- 工業製品なので品質安定性が高い。
- 軽量化を実現でき、施工効率性アップにつながる。
- 温度や湿度環境変化による変形リスクが少ない。
- 希少性があり高価な樹種でも、無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい。
- 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、同じ風合いを大量入手しやすい。
- 特殊塗装によって、表面の耐キズ性・耐汚性を高められ、日焼けによる変色も抑えられる。
- 基材によっては防火材料認定を受けられるため、内装制限のある建築物にも採用しやすく、対象範囲とそうでない部分の仕上げを揃えられる。
“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って良質でバラエティに富んだ突板化粧板を作り続けてきました。
突板化粧板の製造から着色塗装・特殊塗装まで全て自社工場で行うため、オリジナリティを表現できる木質建材をお探しの方は、ぜひ恩加島木材までご相談ください。
● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「突板化粧板」
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● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
内装制限の対象となる建築物へご採用いただける製品を取り揃えておりますので、建物の設計デザインに木目を取り入れたい方はお気軽に弊社までご相談ください。
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まとめ
木の魅力を活かせる内装ドアである「無垢材ドア」「突板化粧板ドア」には、どちらにもメリットとデメリットがあります。
そのため、プランに応じて適切な内装ドアを選びましょう。
無垢材ドア・突板化粧板ドアそれぞれのデメリットを解消できるのが、恩加島木材の突板化粧板です。
「思い通りのデザインを実現したい」「環境に配慮した建物にしたい」という方は、高品質でレパートリー豊富な恩加島木材の突板製品をご検討ください。