木目アクセントウォール|住宅・店舗・オフィスのおしゃれな事例で見るデザインポイント

住宅・店舗・オフィスで人気の「木目アクセントウォール」|おしゃれな事例で見るデザインアイデアとおすすめ建材

木目のアクセントウォールは、住宅だけではなく商業施設やオフィスなどの公共的な建物へも多く採用されています。

しかし、単に木目調の壁材を部分的に取り入れるだけでスタイリッシュなインテリアになるとは限りません。

今回は「木目アクセントウォール」についてメリットから材料別の特徴、実際の事例で見るデザインアイデアまで詳しく解説します。

おすすめの建築材料も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
● 木目のアクセントウォールには、主にデザイン面でメリットがあります。

● アクセントウォールの仕上げ材を選ぶ際は、デザイン性だけではなく表面塗装の種類や施工性、不燃性も確認しましょう。

● 恩加島木材は国内外から産地にこだわった良質な突板を仕入れ、塗装にまでこだわった高品質で多彩な突板製品を製造販売しています。


アクセントウォールのメリット

ウレタン塗装とは|メリット・デメリット

アクセントウォールを取り入れたインテリアデザインは、もはや一過性のトレンドではなく、スタンダードになりつつあります。

様々な建物で見かけることも多いでしょう。

では、ここで改めてアクセントウォールのメリットを紹介します。

内装にオリジナリティや高級感をプラスできる

クロスや塗装の壁に木目などのアクセントウォールを取り入れると、シンプルな内装でもオリジナリティや高級感をプラスできます。

最近は、シンプルにまとめたインテリアへ目を惹く木目パネルを取り入れるデザインが人気です。

ただし、材料の種類によっては安っぽく見えるケースもあるため注意しましょう。

空間の印象が引き締まる

シンプルモダンなインテリアが流行している昨今、「デザインにインパクトがない」「変わり映えしない」とお悩みの方もいらっしゃるはずです。

周りと色味の異なるアクセントウォールを採用すると、自然と空間の印象が引き締まります。

床・天井・扉・家具と素材を揃えてトータルコーディネートできる

木目のアクセントウォールは、使用する壁材によって床(フローリング)・天井・扉(内装ドア)・家具と素材を揃えて全体にまとまりのあるトータルコーディネートを実現できます。

壁の一部を木目にすると、全て木目で統一するよりも軽やかで明るい雰囲気の部屋に仕上がります。

部分張り替えしやすい

壁全面をクロスや塗装にすると、部分的な汚れはキズを補修する際に色違いが目立ちます。

しかし、アクセントウォールを部分的にやりかえても違和感が少ないため、ホテルなど不特定多数が利用する建物への採用事例は少なくありません。

木目アクセントウォールの種類

KDパネル「アニグレ(K6110AN)」

木目のアクセントウォールに用いられる主な材料は「クロス・無垢材・化粧板」に分類されます。

それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なりますので、その違いを知っておきましょう。

クロス

木目が印刷されたビニールクロスが主流ですが、一部では天然木を0.2mm以下のシート状にスライスした突板(つきいた)と呼ばれる素材を壁紙として施工できるように加工した木質クロスも製造されています。

【メリット】

  • 1日に広い面積を施工できる
  • 工事費は比較的リーズナブル(材料はクロスによって大きく異なる)
  • 薄いため、既存壁にそのまま上貼りできる
  • 木目以外の色柄が豊富

【デメリット】

  • 木目は印刷なので本物ではないものが大半
  • 他の材料より耐用年数(寿命)が短い
  • 乾燥すると継ぎ目が目立ちやすい(クロスの幅は910mmが標準)
  • 経年変化で端や継ぎ目から剥がれてくる可能性がある
  • 耐キズ・耐汚性は低い(一部表面コーティングされているクロスもあるが、人工的な艶で継ぎ目が目立ちやすい)


無垢材

「天然木“本物”にこだわりたい」という方に人気なのが、無垢材です。

羽目板(※)状に加工されたものを壁仕上げ材として施工します。

※羽目板(はめいた):板をつぎ合わせて平らに連続して張るために両端部を加工した材料

羽目板


【メリット】

  • 木目や質感がナチュラル
  • 天然の木が持つ調湿性や吸音性が高い
  • 木の香りを楽しめる
  • 浅いキズは研磨などで補修できる

【デメリット】

  • 他の材料よりも厚いため、納まりに工夫が必要
  • 他の材料よりも重いため、施工効率は劣る
  • 樹種によってはコストが高い(不燃木材は特に価格が高い)
  • 希少な樹種はまとまった量を仕入れにくい
  • 温度や湿度の変化によって反り・伸縮などの変形が起こりやすい


化粧板(オレフィン・メラミンなどのプリント化粧板)

オレフィン化粧板やメラミン化粧板は、木目の印刷紙が表面材です。

【メリット】

  • 無垢材よりは薄いため、様々な納まりに対応しやすい
  • 耐火性・耐熱性・耐水性に優れたものもある
  • 木目以外の色柄が豊富

【デメリット】

  • 木目は印刷なので本物ではない


化粧板(突板化粧板)

天然木をスライスした突板を表面材とした化粧板で、無垢材のデメリットを解消できる建築材料です。

【メリット】

  • 表面は天然木そのものなので、木目や質感が無垢材とほとんど同じ
  • 無垢材よりも軽量で薄いため、施工性や加工性が高い
  • 希少な樹種でもコストを抑えられる
  • 希少な樹種でも無垢材よりまとまった量を確保しやすい
  • 無垢材よりも温度や湿度の変化による変形リスクが低い
  • 基材によっては不燃・難燃認定も受けられる

【デメリット】

  • 表面のキズやシミの補修は難しい
  • 突板の継ぎ目が見た目に現れる


ポイント
突板化粧板の欠点であるキズやシミは、表面に塗装コーティングを施すとリスクを軽減できます。

また、突板の貼り方によっては無垢材の風合いを残しながらも個性的なデザインになるため、継ぎ目がデメリットになるとは限りません。


〈おすすめコラム〉
突板の貼り方で印象が変わる|化粧板の種類とおすすめ商品
木目を活かす木材の表面仕上げとは?塗装や加工の種類を紹介



【住宅・店舗・オフィスの事例で見る】木目アクセントウォールのデザインアイデア

恩加島木材は、国内外から良質でレパートリー豊富な突板を仕入れ、高品質な化粧板を製造している建材メーカーです。

それに加えて日本初上陸のプロダクトである特殊UV塗装を施した突板化粧板「KDパネル」も販売しており、数多くの木目アクセントウォールにご採用いただいた事例があります。

その中からいくつか抜粋し、デザインのポイントを紹介します。

間接照明と組み合わせる

間接照明と組み合わせる
施工事例「ザ・ファインタワー大手前」

木目のアクセントウォールは平面的に材料を壁に施工するイメージが強いですが、最近は間接照明と組み合わせるデザインが人気です。

上の事例では、敢えて化粧板を前後交互に貼り、その間に柔らかな光が溢れる間接照明を設置しています。

間接照明と組み合わせる
施工事例「ザ・ファインタワー大手前」

こちらのアクセントウォールは、壁裏に仕込んだ照明の光が、パネルの間に設けたスリットから広がって天井に美しい模様を映し出しています。

凹凸で個性を表現する

凹凸で個性を表現する
施工事例「ザ・ファインタワー大手前」

こちらの事例は、控えめな色味の突板化粧板を壁に採用していますが、ランダムな凹凸をつけることで、見た人の印象に残るデザインに仕上がりました。

凹凸で個性を表現する
施工事例「ザ・ファインタワー大手前」

凹凸の上部にライン照明を設置すると、光によってより陰影が強調され、シンプルながらも個性的な雰囲気になります。

カラーにコントラストをつける

カラーにコントラストをつける
施工事例「スプランディッド大阪WEST」

木目のアクセントウォールにどのような色を取り入れるのかによって、空間の印象はかなり変わります。

上の事例では、淡い色調の中に敢えて濃い色の木目を取り入れ、インパクトと重厚感の両方を感じられるデザインにまとめています。

施工事例「スプランディッド大阪WEST」

よく見ると、木目の化粧パネルには“なぐり加工(※)が施されており、まるで無垢材と見間違えるほどのリアルな質感です。


パネルの並べ方をデザインする

パネルの貼り方をデザインする
施工事例「札の辻スクエア」

シンプルな木目のパネルも、並べ方や形状によって仕上がりの印象が変わります。

上の写真では、幅の異なるパネルを並べてランダムでモダンな印象に仕上げました。

パネルの貼り方をデザインする
施工事例「札の辻スクエア」

最近は、長方形・正方形以外に台形や不整形な形状のパネルも人気です。

シンプルシックなインテリアでも他とは一味違うデザインになるため、様々な建築物にご採用いただいています。

木目の雰囲気にこだわる

木目の雰囲気にこだわる
施工事例「某企業様オフィス移転工事」

最近多くのお問い合わせをいただくのが「ラスティック柄」の化粧板についてです。

ラスティック(英:rustic)は直訳すると「素朴なさま/ 飾り気のないさま/表面が粗いさま」という意味になり、そこからデザイン分野ではナチュラルで田舎風なデザインを指すようになりました。

最近は、インダストリアルデザインやヴィンテージデザインなど無骨な印象のインテリアが人気で、それらと相性の良いラスティック柄の人気が高まっています。

ナララスティック
PANESSE:ナラ(ラスティック)


〈おすすめコラム〉
トレンドの“ラスティック・インテリア” デザインのポイントからおすすめ商品まで徹底解説


扉の面材や天井と木目を合わせる

扉の面材や天井と木目を合わせる
KDパネル「オーク(K6187AS)」

アクセントウォールとして部分的に木目を取り入れるデザインに加えて、家具・ドアの面材や天井と素材を揃える事例も増えています。

上の事例では、アクセントウォールと収納ドア、下がり天井に同じ化粧板を採用し、統一感のあるデザインにまとめました。

扉の面材や天井と木目を合わせる
KDパネル「チーク(K6186CS)」

化粧板の強みは、その薄さから壁の仕上げ材ではなく様々な部分に施工しやすい点です。

部屋のポイントとなる場所に同じ木目のパネル材を取り入れると、全体的にまとまりのある落ち着いた空間に仕上がります。



「アクセントウォールはダサい・失敗」と言われる理由とその対策

木目アクセントウォールのデメリットと「ダサい・失敗」と言われる理由・対策

アクセントウォールについて調べると、「ダサい・失敗した」というようなネガティブな意見も見かけます。

デザインに後悔しないためには、失敗のよくある原因とその対策方法を知っておきましょう。

「安っぽく見える」

木目をプリントしたクロスや一部の化粧板は、その再現性が低いと仕上がりのリアリティが低くなる可能性があるため注意しましょう。

製品によって木目パターンの大きさやリピート幅(※)は異なり、それによって仕上がりの見え方が大きく変わるため、できるだけ大きな原物サンプルで柄を確認することをおすすめします。

※リピート幅:プリント柄が繰り返される間隔の幅

「圧迫感がある」

アクセントウォールによって圧迫感が出るかどうかは、面積とカラーによって大きく左右されます。

濃い木目を選ぶ際は面積を少なめに抑えましょう。

逆に明るい木目のパネルはある程度広い面積に施工してもそれほど圧迫感は気になりません。

「アクセントウォールが浮く」

アクセントウォールだけに単体でデザインすると、インテリアの中で浮いてしまう可能性があるので注意しましょう。

天井材やドア、家具などのデザインとリンクするように同じ素材を取り入れるデザインがおすすめです。

同じ化粧パネルをいくつかの部分に採用する場合は、全体のバランスが重要になります。

「経年変色が目立つ」

無垢材や突板化粧板は、日射や照明器具の強い光を受けると部分的に変色する可能性があります。

そのため、部分的な色違いを避けたい方は、直射日光の当たりにくい部分へアクセントウォールを配置しましょう。

「キズ・汚れが目立つ」

人の手に触れやすい部分の壁はキズがついたり黒ずんだりする可能性があります。

そのため、スイッチ周りや物がぶつかりやすい床の近くなどは、表面に塗装コーティングが施された材料を選びましょう。



木目アクセントウォールの仕上げ材を選ぶ“4つ”のポイント

木目アクセントウォールの仕上げ材を選ぶポイント

木目のアクセントウォールに採用する仕上げ材は、施工部位やコスト、建物の用途などによって異なります。

材料を選ぶ際は、4つのポイントに沿って検討しましょう。

デザイン性・質感

店舗やホテルなど、特にデザイン性の高さやディテールの納まりが重視される現場においては、仕上げ材の質感にもこだわりましょう。

照明が当たった時の艶なども見た目に影響します。

ポイント
恩加島木材では、常時40以上の樹種の突板化粧板を取り揃え、自社工場にてオリジナル色での着色や特殊加工にも対応しております。

「既製の化粧パネルでは思うデザインを表現しきれない」という方は、ぜひご相談ください。


表面加工・表面塗装

不特定多数が利用する建物においては、摩耗キズや汚れを防止する表面加工が重要な鍵を握ります。

また、最近では抗菌・抗ウイルス塗装(※)も人気です。

※抗菌・抗ウイルス塗装:表面に付着したウイルスや細菌を不活性化させて活動を抑えられる表面加工(ウイルス・細菌の動きを100%抑えたり死滅させるものではありません。)

ポイント
恩加島木材では、分厚い塗膜によって耐摩耗性を高められる「UV塗装」も自社工場で行なっております。

また、高強度抗菌UV塗装仕様の「KDパネル」も販売しておりますので、化粧板の美しさを長持ちさせたい方はぜひ採用をご検討ください。




コスト・施工性・加工性

「ナチュラルな木目なら天然木が一番」と思う方も多いでしょう。

しかし、無垢材は樹種によってコストアップや施工・加工の効率が落ちる可能性があります。

特に商業施設やマンション、ホテルはアクセントウォールだけでも施工面積が広く、材料によって予算計画や工期に影響するため注意しましょう。

ポイント
中規模以上の建物には、「デザイン性・コスト・施工加工性」のバランスが良い突板化粧板がおすすめです。

希少な樹種や高価な樹種でも無垢材より天然木の量を抑えられるため、コストを抑えて必要量を確保できることから、多くの現場にてご採用いただいております。


不燃性

公共施設の設計デザインをする上で忘れてはいけないのが「内装制限」です。

特殊建築物(建築基準法第2条の2)にアクセントウォールを採用する際は、材料の防火性能も確認しましょう。

ポイント
恩加島木材の突板化粧板は、同じ突板で不燃仕様とそうでない物をお選びいただけるため、異なる部位にも同じ木目をご採用いただけます。

不燃化粧板に加えて、さらに強度を高めた不燃化粧合板も製造しておりますので、お気軽にご相談ください。


〈おすすめコラム〉
建築基準法で定められた“内装制限”とは? 概略や緩和から「木」を取り入れる方法まで詳しく解説
内装制限の範囲はどこまで?対象となる部分・ならない部分を徹底解説




“本物の木目”にこだわるなら恩加島木材の突板化粧板がおすすめ

“本物の木目”にこだわるなら恩加島木材の突板化粧板がおすすめ

突板化粧板とは、天然木を0.2〜0.3mm程度に薄くスライスした突板(つきいた)を表面材に用いた仕上げ用パネル材です。

無垢材と比べて、以下のようなメリットがあります。

  • 無垢材よりも温度や湿度の変化による変形リスクが低い
  • 無垢材よりも薄く、軽くしても形状や品質を維持できる
  • 無垢材よりも希少な樹種や高価な樹種でもコストを抑えられる
  • 無垢材よりも広い面積で木目や色合いを揃えられる
  • 基材の厚さや材質を変えると、カウンター材とフローリング材・天井材・壁材・家具の面材・内装ドアのデザインを揃えられる
  • 現場では対応できない表面加工(UV塗装・日焼け防止塗装など)のオプションを追加できる


私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ建材を開発・製造し続けてきました。

突板の常備在庫は40以上の樹種、およそ1000束に上り、その豊富なストックから仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定し、特殊塗装も含めて自社工場で対応できるため、お客様の設計デザインに合う製品を提供できます。

国産材・地域材など産地を限定した突板もございますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。

ポイント
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。


〈おすすめコラム〉
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
突板・挽板・無垢材それぞれの違いとは?どれがおすすめ?特性から選び方まで徹底解説




まとめ

木目のアクセントウォールには主にデザイン面でメリットがあります。

ただし、選ぶ仕上げ材によって、仕上がりの印象やコスト、性能は異なるので注意しましょう。

ナチュラルな木目をインテリアへ取り入れたい方には、変形リスクが低くコストを抑えて施工性を上げられる「突板化粧板」がおすすめです。

不特定多数の方が利用する建物には、耐摩耗性を高められるUV塗装や、抗菌・抗ウイルス塗装仕様のタイプの採用をご検討ください。

「天然の魅力を生かした設計デザインにしたい」「天井や壁、ドアなどとトータルコーディネイトしたい」「塗装にまでこだわりたい」という方のお悩みを恩加島木材の突板製品が解決します。