「ウレタン塗装クリア仕上げ」と「オイル塗装」どちらがいい?特徴の違いと選び方
家具や内装材で木材を使用する場合、表面保護の目的でウレタン塗装やオイル塗装を施すケースも多いでしょう。
その場合、どちらが良いか迷う方も少なくないはずです。
そこで今回は「ウレタン塗装とオイル塗装」それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
塗料を選ぶ際のポイントや、その他のおすすめ塗装仕上げも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
● 人の手に触れやすい家具・建具・内装仕上げ材には、抗ウイルス・抗菌塗装やUV塗装もおすすめです。
● 恩加島木材は国内外から産地にこだわった良質な突板を仕入れ、塗装にまでこだわった高品質で多彩な突板製品を製造販売しています。
Contents
ウレタン塗装とは|メリット・デメリット
ウレタン塗装には完全に木目を覆い隠すタイプとクリア仕上げがあり、どちらもポリウレタン樹脂を含む塗料を使用します。
木材などの表面に塗膜が形成されることから「造膜型塗料」に分類される点が特徴です。
では、ウレタン塗装のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
- 表面の塗膜によって、耐水性・耐久性・耐汚性・耐摩耗性が高まる。
- キズ・シミがつきにくい。
- 表面が滑らかに仕上がる。
- クリア仕上げから着色仕上げまで塗料のレパートリーが豊富で、艶あり・艶消し・5分艶などの調整が可能。
- 湿度変化(湿潤・乾燥)の影響を受けにくく木材が変形しにくい。
- 塗膜が剥離したり亀裂が入ったりしなければ再塗装は不要。
デメリット
- 塗料によっては光沢感が人工的な印象になる。
- 表面を塗膜が覆うため、質感や触り心地は天然木と異なる。
- 塗料によっては日射や照明光に含まれる紫外線によって黄変(おうへん)する可能性がある。
- 多量の水分や直射日光によって塗膜が劣化して剥離する可能性がある。
- 塗膜が劣化すると表面保護効果が一気に低下する。
- キズが目立ちやすい。
- 表面についたキズを補修しにくい。
- 再塗装する際は、既存塗膜表面の研磨や撤去が必要。
オイル塗装とは|メリット・デメリット
ウレタン塗装は表面に塗膜を形成する造膜型塗料なのに対して、オイル塗装は木部の内部まで浸透する「浸透型塗料」です。
自然環境や人への影響を抑えるために、近年は植物性オイルやワックスを主原料とした塗料が一般的です。
オイル塗装のメリット・デメリットはウレタン塗装と全く異なります。
メリット
- 表面に塗膜が形成されないため、質感や触り心地は無垢材とほとんど変わらない。
- ウレタン塗装よりもサラサラとした質感に仕上がる。
- 無垢材のもつ調湿性・木の香りが生きる。
- キズを補修する際、既存の塗料を落とす必要はない。
- ウレタン塗装より表面劣化が目立ちにくい。
- 定期的に上塗りすることで、独特な味わいが増す。
デメリット
- 耐水性・耐久性は無塗装の状態とあまり変わらない。
- キズ・シミがつきやすい。
- 表面の質感は無塗装の状態とほぼ変わらない(滑らかにならない)。
- ウレタン塗装よりカラーレパートリーは少なく、艶の調節はできないので基本的にはマット仕上げ。
- ウレタン塗装より湿度変化(湿潤・乾燥)の影響を受けて、反りなどの変形を起こす可能性がある。
- 塗料は少しずつ揮発するため、定期的な再塗装(上塗り)が必要。
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ウレタン塗装・オイル塗装を選ぶポイント
ウレタン塗装のクリア仕上げとオイル塗装で迷った場合は、以下のポイントに着目して仕上げの方法を選びましょう。
チェックポイント | ウレタン塗装 | オイル塗装 |
---|---|---|
摩耗キズや汚れ・シミがつきにくくしたい | ◯ | × |
定期的なメンテナンスは減らしたい | ◯ | △ |
公共的な施設で木部の手入れが行き届きにくい | ◯ | △ |
手軽に再塗装したい | × | ◯ |
水分がつきやすい | ◯ | × |
無垢材の風合い・触り心地を活かしたい | × | ◯ |
木の香りを楽しみたい | × | ◯ |
木の調湿効果を残したい | × | ◯ |
手入れしながら長年使い続けたい | △ | ◯ |
木のエイジング(経年変色・質感の変化)を楽しみたい | △ | ◯ |
少々の汚れやキズは“味わい”として許容できる | △ | ◯ |
よりマットな仕上がりにしたい | △ | ◯ |
表面保護効果(耐水性・耐摩耗性)を重視してメンテナンスを減らしたい場合は「ウレタン塗装」、自然な風合いを重視したい場合は「オイル塗装」がおすすめです。
重視する点の他に、施工部位(用途)でも適した塗料は異なります。
塗装種類 | 適した施工部位 |
---|---|
ウレタン塗装 | カウンター材 テーブルの天板 家具の棚板 スイッチ周りなど手が触れやすい壁材 公共的な建築物の造作家具・建具(扉・ドア)の面材 |
オイル塗装 | 無垢フローリング(風合い重視の場合) 天井材(手が触れず汚れ・キズがつきにくいため) |
木材加工から塗装まで全て自社工場で行うため、ウレタン塗装からオイル塗装、オリジナル色の調色、その他特殊塗装にも対応しております。
「ウレタン塗装とオイル塗装で迷っている」方は、お気軽に恩加島木材までご相談ください。
家具や内装材には抗ウイルス・抗菌塗装やUV塗装もおすすめ
家具や建具の面材、天井・壁などの仕上げに用いる内装木質建材には、人の手に触れる場所であるため「抗ウイルス・抗菌塗装」や「UV塗装」もおすすめです。
抗ウイルス・抗菌塗装
抗ウイルス・抗菌塗装は、表面に付着したウイルスや細菌を不活性化させて活動を抑えられる点が特徴です。
※ウイルス・細菌の動きを100%抑えたり死滅させるものではありません。
新型コロナ感染拡大を機に注目度が高まり、病院や学校、オフィス、店舗など不特定多数が利用する公共建築物から、マンション・戸建て住宅まで多くの現場に採用されています。
抗ウイルス塗装を施した建築材料はいくつもありますが、その安全性を公的に判断する際に参考になるのが「SIAA認定」制度です。
「抗ウイルス性・抗菌性・防カビ性」「安全性」「適切な表示」すべての基準を満たしている製品のみが認定を受けられます。(参考:一般社団法人 抗菌製品技術協議会|SIAAとは)
UV塗装
ウレタン塗装よりも表面保護効果(耐水性・耐久性)が高いのが「UV塗装」です。
紫外線照射を受けて短時間で硬化する特殊塗料を用いるため、乾燥硬化型塗料よりも分厚い塗膜を形成できます。
工場塗装による高い品質安定性も人気のポイントです。
そのため、多くの公共建築物や家具、カウンター材へ施工されています。
UV塗料は樹脂系塗料のように硬化する過程でCO2が出ず、シンナーなどの揮発性有機化合物(VOC)を含まないため、環境に優しい塗料として採用されるケースも少なくありません。
ただし、UV塗装には大掛かりな設備が必要なため、対応できるメーカーは限られるので注意しましょう。
「突板化粧板+高性能塗装」は恩加島木材へお任せください
突板化粧板とは、天然木を0.2〜0.3mm程度に薄くスライスした突板(つきいた)を表面材に用いた仕上げ用パネル材です。
無垢材と比べて、以下のようなメリットがあります。
- 無垢材よりも温度や湿度の変化による変形リスクが低い
- 無垢材よりも薄く、軽くしても形状や品質を維持できる
- 無垢材よりも希少な樹種や高価な樹種でもコストを抑えられる
- 無垢材よりも広い面積で木目や色合いを揃えられる
- 基材の厚さや材質を変えると、カウンター材とフローリング材・天井材・壁材・家具の面材・内装ドアのデザインを揃えられる
- 現場では対応できない表面加工(UV塗装・日焼け防止塗装など)のオプションを追加できる
私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ建材を開発・製造し続けてきました。
突板の常備在庫は40以上の樹種に上り、その豊富なストックから仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定し、特殊塗装も含めて自社工場で対応できるため、お客様の設計デザインに合う製品を提供できます。
国産材・地域材など産地を限定した突板もございますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。
- 天然木練付化粧板
- 天然木練付不燃化粧板
- 天然木練付不燃突板シート
- 天然木練付難燃化粧板
- 天然木練付有孔化粧板
- 天然木練付テクスチャーボード
- 化粧MDF
- リブパネル(ルーバー)
- KDパネル
- KD突板シート
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。
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まとめ
ウレタン塗装によるクリア仕上げとオイル塗装は、見た目が似ていますが特徴やメリット・デメリットは大きく異なります。
そのため、施工部位によって適切な方法を選びましょう。
家具や建具の面材、壁・天井の仕上げ材には、抗菌・抗ウイルス塗装やUV塗装もおすすめです。
「天然の魅力を生かした設計デザインにしたい」「天井や壁、ドアなどとトータルコーディネイトしたい」「塗装にまでこだわりたい」という方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。