壁に使われる内装材の種類|クロス・塗装・タイル・化粧パネルのメリットとデメリットを解説

壁に使われる内装材の種類|クロス・塗装・タイル・化粧パネルのメリットとデメリットを解説

内装デザインを検討中に壁へどのような材料を選べばいいか決めかねている方のために、壁に使われる内装材「クロス・塗装・タイル・石材・無垢材・化粧パネル」それぞれのメリットとデメリットを解説します。

内装材選びのポイントやおすすめ建材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
● 壁の仕上げに用いられる内装材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。

● 施工する部位や空間用途、表現したいデザインによって適した材料は異なるため、材料選定のポイントが重要です。

● 恩加島木材は国内外から産地にこだわった良質な突板を仕入れ、高品質で多彩な突板製品を製造販売しています。


壁に使われる内装材の種類

壁に使われる内装材の種類

壁へ使われる内装材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

インテリアデザインを検討する際は、ぜひ違いをチェックしておきましょう。

クロス(壁紙)

ビニールクロスが主流ですが、その他には天然素材を原料とした紙クロスや布クロス、木質クロス、珪藻土クロスなどがあります。

塗装(塗り壁)

内装壁に用いられる主な塗料は、アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料に加えて、ミルクペイント(※)も人気です。

※ミルクペイント:ミルク原料を用いた天然由来の水性塗料

タイル・石材

壁用タイルは国内外のメーカーで作られており、最近は調湿効果や脱臭効果のある機能性タイルが人気です。

合わせて店舗など特に高いデザイン性が求められる建物の場合は、天然石や人工石・人造石を壁の内装仕上げに用いるケースもあります。

無垢材

天然木から作られた羽目板(※)を主にアクセントウォールとして採用する事例が増えています。

新しい木材だけではなく古材を用いたヴィンテージデザインやインダストリアルデザインも人気です。

※羽目板(はめいた):板材を連結しながら張り進められるように加工したもの

化粧パネル

化粧パネルとは薄い表面材と合板などの基材を貼り合わせたもので、さまざまな色柄を表現できます。

人工的な質感・カラーのメラミン化粧板やオレフィン化粧板だけではなく、天然木を薄くスライスした突板を表面材とした突板化粧板も人気です。

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それぞれのメリットとデメリット

カウンター材それぞれのメリット・デメリット

内装材によってメリット・デメリットが異なり、施工場所や空間用途によって適した材料は異なります。

内装材コストデザイン耐キズ性
耐汚性
施工性
クロス
(壁紙)

(例外あり)

(例外あり)
塗装
(塗り壁)
タイル
石材
無垢材
化粧パネル

では、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

クロス(壁紙)

【メリット】

  • 他の材料と比べてコストがリーズナブル
  • 1日に施工できる面積が広い
  • 色柄のレパートリーが豊富
  • 耐汚性・耐キズ性などの機能付きクロスも選べる
  • 固く絞った布巾などで拭き掃除できる
  • 平面だけではなく曲面の壁にも施工できる

【デメリット】

  • 10〜15年程度で張り替えが必要になる
  • 空気が乾燥すると継ぎ目が開いて目立ってくる可能性がある
  • 端から剥がれてくる可能性がある
  • 耐久性はないため、引っ掻きキズがつきやすい
  • 電気焼け(※)による変色や黄変(黄ばみ)、紫外線による褪色(色あせ)が目立つ可能性がある
  • 紙クロスや布クロス、木質クロス、珪藻土クロスなど天然由来の壁紙は汚れがつきやすく水拭きできない

※電気焼け:家電製品とクロスの距離が近いと、排熱によって変色(黄ばみ・黒ずみ)する現象で拭いても取れない


塗装(塗り壁)

【メリット】

  • 他の材料と比べてコストがリーズナブル
  • 1日に施工できる面積が広い
  • 塗料は調色できるため、色のレパートリーが無限
  • 固く絞った布巾などで拭き掃除できる塗料もある
  • 平面だけではなく曲面の壁にも施工できる

【デメリット】

  • 10年程度で塗り替えが必要になる
  • 下地の小さな段差などが目立つ
  • 耐久性はないため、キズがついたり出隅の角が欠けたりしやすい
  • 電気焼けによる変色や黄変(黄ばみ)、紫外線による褪色(色あせ)が目立つ可能性がある
  • パターン(※)をつけるためには、下処理が必要

※(塗装における)パターン:ローラーや吹付で凸凹を付け、その上から仕上げとなる塗装を施すと平面に模様をつけられる


タイル・石材

【メリット】

  • タイルも石材も高級感がある
  • タイルは色柄や形状のレパートリーが豊富
  • タイルと石材は耐用年数が長いので基本的には張り替える必要がない
  • 耐久性が高くキズがつきにくい
  • 汚れが付きにくく、水拭きできる

【デメリット】

  • 他の材料と比べてコストが高い
  • 1日に施工できる面積が狭い
  • 材料の重量があるため、それを考慮した壁下地にする必要がある
  • 目地材やシーリング材は10年程度でやりかえが必要
  • 細かい裁断加工が難しく、曲面の壁には対応できない


無垢材(板張り壁)

【メリット】

  • ナチュラルな印象に仕上がる
  • 全く同じ色合いや木目はないため、ランダムで個性的なデザインを実現できる
  • 木材の持つ調湿効果を得られる
  • 家具や床、天井などとトータルコーディネイトしやすい

【デメリット】

  • 湿度変化によって反りや伸縮、割れなど変形するリスクがある
  • クロスや塗料よりもコストは高め
  • 1日に施工できる面積が狭い
  • 細かい裁断加工が難しく、曲面の壁には対応できない
  • 無塗装の材料だとキズや汚れが付きやすい


化粧パネル

【メリット】

  • 耐水性・耐汚性・耐キズ性が高いものもある
  • 色柄のレパートリーが豊富
  • タイル・石材・無垢材よりも厚みがないため、色々な納まりに対応できる
  • 不燃タイプや難燃タイプもある
  • 軽量で施工効率が良い
  • タイプによっては曲面の壁にも対応できる
  • キズや汚れがつきにくいものもある

【デメリット】

  • クロスや塗料よりもコストは高め(タイル・石材・無垢材よりはリーズナブル)
  • 表面材がプリントされているものはリアリティがあまりない


ポイント
化粧パネルの中でも表面材に天然木を用いた「突板化粧板」は、無垢材のデメリットを解消できる人気の高い建材です。

メラミン化粧板やオレフィン化粧板では表現できない、ナチュラルで唯一無二なデザインを実現できます。


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壁の内装材を選ぶポイント

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内装材のカタログを見ても、一体どれを選べばいいか判断しにくいケースもありますよね。

そこで、壁の内装材を選ぶ際に重要となる5つの視点を紹介します。

見た目・デザイン性

選ぶ内装材によって見た目やデザイン性は大きく異なります。

クロスやタイル、メラミン化粧パネルやオレフィン化粧パネルは、印刷技術によって多種多様なカラーやパターンの材料を作れますし、特注色に対応できる塗料は少なくありません。

対して、石材や無垢材、突板化粧板は素材が限定されるため、デザインが限られます。

しかし、ナチュラルでリアルな質感や色合いは、内装デザインの質を高めます。

ポイント
恩加島木材の突板化粧板は、常時40樹種以上のレパートリーを取り扱っており、突板の貼り合わせ方によっていくつものデザインを表現できます。


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お手入れ・メンテナンス方法

キッチンなど水はねや油はねで汚れやすい場所の壁には、掃除しやすい内装材がおすすめです。

気兼ねなく水拭きできるタイルや石材、メラミン化粧板、オレフィン化粧板が多くの現場で選ばれます。

ただし、最近はビニールクロスや突板化粧板の表面の表面をコーティングして耐汚性・耐摩耗性を高めた材料も増えているので、材料選定の際にはチェックしましょう。

また、無垢材も表面にウレタン塗装すると、手垢などの汚れが付きにくくなります。

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コスト

公共的な施設や規模の大きい建築物は壁面積が広いため、コストも重要なポイントになります。

トレンドは、塗装をベースにして、アクセントにタイル・石材・無垢材・化粧パネルを組み合わせるプランです。

ただし、厚く重量のあるタイルや石材、無垢材は、壁下地の強度や納まりを十分検討する必要があるので注意してください。

また、無垢材や石材や種類や産地によって高額になる点もデメリットです。

ポイント
突板化粧板は無垢材よりも天然木の割合が少ないため、希少性の高い樹種も比較的リーズナブルにデザインへ取り入れられます。

近年は、国産材から作られた突板を用いた化粧板のご用命が増えており、サスティナブル建築へ多く採用されています。


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不燃・難燃性

建物の規模や用途によっては、天井と壁の材料を制限する「内装制限」の対象となります。

内装制限は建築基準法第35条の2「特殊建築物等の内装」で定められており、対象範囲の壁には「難燃材料・準不燃材料・不燃材料」を使用しなくてはいけません。

そのため、内装材を選ぶ際は防火材料としての認定を受けているかを確認しましょう。

ポイント
恩加島木材の突板化粧パネルは、不燃材料・難燃材料としての個別認定を受けています。

そのため、内装制限の対象となる壁にも安心してご採用いただけます。


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施工性

壁は施工面積が広いため、材料の運搬や加工や施工の効率が工期や人件費に大きく影響します。

そのため、材料の重さや厚さ、管理や保管のしやすさ、養生(乾燥)期間の有無も確認しましょう。

ポイント
突板化粧パネルは、無垢材のような湿度変化による変形リスクを抑えられ、尚且つ軽量で薄く運搬や加工をしやすい点が強みです。

恩加島木材では、曲面や細かい部分にも施工できる突板シートや、木口突板仕上げ・木口塗装などのオーダーも承っておりますので、施工性を重視する現場にぜひご検討ください。




木目を生かした壁には「突板化粧板」がおすすめ

1947年創業恩加島木材の多彩な突板製品シリーズ

無垢材と同じく天然木の風合いや木目を活かせるのが突板化粧板です。

無垢材との違いは以下の通りです。

  • 無垢材よりも温度や湿度の変化による変形リスクが低い
  • 無垢材よりも薄く軽くしても形状や品質を維持できる
  • 無垢材よりも希少な樹種や高価な樹種でもコストを抑えられる
  • 無垢材よりも広い面積で木目や色合いを揃えられる
  • 基材の厚さや材質を変えると、カウンター材とフローリング材・天井材・壁材・家具の面材・内装ドアのデザインを揃えられる
  • 現場では対応できない表面加工(UV塗装・日焼け防止塗装など)のオプションを追加できる


私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ内装建材を作り続けてきました。

突板の常備在庫は40以上の樹種、およそ1000束に上り、その豊富なストックから仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しております。

また、塗装も自社工場で行うため、浸透型・造膜型(ウレタン・UV)塗料を使った表面保護や、オリジナル色での着色ペイントなどデザインイメージや施工場所に合わせた加工が可能です。

国産材・地域材など産地を限定した突板もございますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。


ポイント
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。


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まとめ

壁の仕上げに用いられる内装材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットは異なります。

また、施工する部位や空間用途、表現したいデザインによって適した材料は異なるため、材料選定のポイントを押さえることが重要です。

「天然の魅力を生かした設計デザインにしたい」「天井や壁、ドアなどとトータルコーディネイトしたい」という方は、ぜひ恩加島木材の突板製品をご検討ください。