カウンター材は「突板と無垢材」どっちがいい?メリット・デメリット、材料の選び方を解説

カウンター材は「突板と無垢材」どっちがいい?メリット・デメリット、材料の選び方を解説

「飾り棚や造作家具などのカウンター材を選ぶ際、どのような素材が良いか迷っている」という方のために、カウンター材の種類とそれぞれのメリット・デメリット、選び方のポイントを紹介します。

無垢材と突板化粧板の違いやおすすめの塗装、メンテナンス方法についても紹介しますのでウッドインテリアの材料をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
● カウンター材やテーブルの天板には、色々な特徴を持つ材料が使われます。

● 木目を生かしたい場合は、コスト面・施工面・品質安定性においてメリットのある「突板化粧板」がおすすめです。

● 恩加島木材は国内外から産地にこだわった良質な突板を仕入れ、高品質で多彩な突板製品を製造販売しています。


カウンター材の種類

カウンター材の種類

造作カウンターや造作家具で用いられるカウンター材は、素材によって主に以下の6種類に分けられます。

無垢材

天然木を乾燥・切削して表面塗装や着色加工したもの。

突板化粧板

天然木を0.2〜0.3mm程度に薄くスライスした突板(ツキイタ)を基材である合板などに接着して板状にしたもの。

メラミンカウンター材

合板やMDFなどの基材にメラミン化粧板を加熱圧着させて成形したもの。

強化ガラス

一般的なガラス(フロートガラス)を加熱・急冷し強化を高めたもの。

人造大理石(クォーツストーン)
人工大理石

人造大理石は天然大理石を粉砕してセメントや樹脂で固めたもの。

人工大理石はアクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分として大理石と近い見た目になるように調合したもの。

天然石材

天然石を切削加工して研磨や表面コーティングなどの加工を施したもの。


それぞれ見た目だけではなくメリット・デメリットに違いがあります。



カウンター材それぞれのメリット・デメリット

カウンター材それぞれのメリット・デメリット

実現させたいデザインによってカウンター材を選ぶのが通常ですが、材料選定の際にはそれぞれのメリットとデメリットを知っておくことも肝心です。

無垢材

【メリット】

  • 天然木ならではの唯一無二な木目・質感がある
  • 原木を縦方向に切断したままで成形カットされていないナチュラルな形状のカウンターにできる
  • 深いキズやシミがついても研磨補修できる
  • 経年変化によりヴィンテージ感が増して愛着が湧く

【デメリット】

  • 耐水性・耐熱性・耐汚性はあまり高くない
  • コップ跡などが付く可能性がある(表面塗装である程度カバーできる)
  • 材料の保管状況(温度・湿度)によって変形するリスクがある(反り・ねじれ・伸縮・木割れなど)
  • 経年変色する(樹種によって淡色化・濃色化する)
  • 良質な材料や希少性の高い樹種は材料コストが割高
  • 同じ品質の材料を大量入手しにくい
  • 耐久性や形状安定性を確保するためには厚くしなくてはならない
  • 材料が重い


突板化粧板

【メリット】

  • 無垢材同様に天然木ならではの木目を表現できる(突板の並べ方によってはヘリンボーン柄などの模様も表現可能)
  • 無垢材よりも材料の保管状況(温度・湿度)により変形するリスクが低い(天然木部分が薄いため)
  • 不燃仕様のタイプがある
  • 良質な材料や希少性の高い樹種でも無垢材より材料コストを抑えられる(1本の原木から広い面積の材料を産出できるため)
  • 同じ品質の材料を大量に入手しやすい(工業製品なため)
  • 無垢材よりも薄いカウンター材にできる
  • 無垢材よりも軽量化できる

【デメリット】

  • 耐水性・耐熱性・耐汚性はあまり高くない
  • 無垢材よりも質感(触り心地)は冷たく硬め
  • 木口(切断面)に処理が必要
  • 深いキズやシミがついても補修しにくい(表面塗装である程度表面保護できる)
  • 経年変色する(ただし、特殊塗装で変色を防ぐ塗装も)


〈おすすめコラム〉
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メラミンカウンター材

【メリット】

  • 耐水性・耐熱性・耐汚性が高い
  • 油汚れを簡単に落とせる
  • 印刷技術によりデザインやカラーのレパートリーが豊富
  • 材料の保管状況(温度・湿度)により変形するリスクが低い

【デメリット】

  • 木目や石目はあくまでもプリント
  • 木口(切断面)に処理が必要
  • 経年劣化・経年変色が目立つ(褪色や表面材の剥離など)
  • キズがついても補修しにくい(タッチペンで目立たなくする程度)


強化ガラス

【メリット】

  • 透明感によって圧迫感がでない
  • 高級な仕上がりになる
  • 耐水性・耐熱性・耐汚性・耐キズ性が高い
  • 油汚れを簡単に落とせる

【デメリット】

  • 指紋汚れが目立ちやすい
  • 材料コストが高い
  • 現場加工できない
  • 端部に衝撃が加わると簡単に割れてしまう可能性がある
  • 周辺環境の温度変化などにより自然破損する可能性がある


人造大理石(クォーツストーン)・人工大理石

【メリット】

  • 耐水性・耐汚性・耐キズ性が高い
  • 油汚れを簡単に落とせる
  • カラーのレパートリーが豊富
  • 天然石よりも大幅にコストを抑えられる

【デメリット】

  • キズつくと補修が難しい
  • 耐熱性が低いものもある(変色する)
  • 経年変色(黄色化)する可能性がある
  • もらいサビの発生リスクがある
  • 材料が重い


天然石材

【メリット】

  • 高級感・重厚感がある
  • 耐水性・耐熱性・耐キズ性が高い
  • 経年変化(変色・劣化)はほとんどない

【デメリット】

  • 価格が高い
  • 良質な材料や希少性の高い種類の天然石は、同じ品質の材料を大量に入手しにくい
  • 耐久性を確保するために厚くしなくてはならない
  • 材料が重い


ポイント
カウンター材やテーブルなどの天板材に用いられる材質は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。

そのため、施工場所や用途、ご予算などに合わせて適切な材料を選びましょう。



カウンター材を選ぶ際のチェックポイント

【ケース別】カウンター材の選び方

カウンター材やテーブルの天板を選ぶ際は、材料ごとの特徴を理解することが重要です。

デザイン性・機能性やメンテナンス性に加えて、公共的な施設などはコスト面や施工面のポイントもチェックしましょう。

見た目・デザイン性

材料は大きく分けて「木質系材料」「プリント材」「ガラス」「石質系材料」の4種類に分けられます。

見た目やデザインに合わせて、どれがイメージに合うか選定しましょう。

そして、天然素材にこだわるかどうかも重要なポイントです。

壁材や天井材、その他造作家具、内装ドアなどと統一性のあるデザインにしたい場合は、さまざまな場所へ採用できる汎用性のある材料をおすすめします。

お手入れ・メンテナンス方法

食事をとったり頻繁に水拭きが必要になったりする場合は、耐汚性や耐水性が高いものを選びましょう。

キッチンカウンターのように水はねや油はねのリスクがある場合は、シミのつきにくいものがおすすめです。

逆に、飾り棚や事務的な作業をするカウンターなどしつこい汚れが付きにくい場所は、見た目重視で材料を選んでも良いでしょう。

ただし、公共的な建物で使用する人が不特定多数の場合は、定期的なオイル塗装が必要な無垢材カウンターなどはあまりおすすめできません。

耐キズ性・耐摩耗性

フローリングのように人がその上を歩行する訳ではありませんが、人の手に触れやすい場所へ施工する場合は、表面に耐キズ・耐摩耗加工が施されている材料を選びましょう。

キッチンカウンターやテーブルの天板など熱いものを置く可能性がある場合は、耐熱性があるかもチェックポイントです。

公共施設には表面の再塗装など定期的なメンテナンスが不要なものをおすすめします。

コスト

ホテルやレストランなど施工箇所が多い場合は、コストも重要なポイントになります。

無垢材も良いですが、突板化粧板はコストを抑えて品質や見た目の揃う材料を大量入手できる点がメリットです。

また、より希少性の高い樹種・石種をデザインへ取り入れられます。

施工性

カウンター材ひとつとっても、施工箇所が多いと重く運搬や施工が大変だと工期や人件費に影響します。

また、分厚い材料は美しく納めるために工夫が必要になる場合があるため注意しましょう。

ポイント
ナチュラルな木目のカウンター材を検討している方には「突板化粧板」がおすすめです。

無垢材と比べてコストが低いにもかかわらず、品質安定性や施工性が高く樹種のレパートリーが豊富で、温度や湿度変化による変形リスクを抑えられます。


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木目を生かすなら「突板化粧板」がおすすめ|無垢材との違い

1947年創業恩加島木材の多彩な突板製品シリーズ

無垢材と同じく天然木の風合いや木目を活かせるのが突板化粧板です。

無垢材との違いは以下の通りです。

  • 無垢材よりも温度や湿度の変化による変形リスクが低い
  • 無垢材よりも薄く軽くしても形状や品質を維持できる
  • 無垢材よりも希少な樹種や高価な樹種でもコストを抑えられる
  • 無垢材よりも広い面積で木目や色合いを揃えられる
  • 基材の厚さや材質を変えると、カウンター材とフローリング材・天井材・壁材・家具の面材・内装ドアのデザインを揃えられる
  • 現場では対応できない表面加工(UV塗装・日焼け防止塗装など)のオプションを追加できる


私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ内装建材を作り続けてきました。

突板の常備在庫は40以上の樹種、およそ1000束に上り、その豊富なストックから仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しております。

また、塗装も自社工場で行うため、浸透系・造膜系(ウレタン・UV)塗料を使った表面保護や、オリジナル色での着色ペイントなどデザインイメージや施工場所に合わせた加工が可能です。

国産材・地域材など産地を限定した突板もございますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。


ポイント
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。


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表面塗装の種類もチェック

カウンター材を選ぶ際は表面塗装の種類もチェック

カウンター材やテーブルの天板を選ぶ際は、材質に加えて表面塗装の種類も確認しましょう。

特にそのままでは耐水性の低い木質系建材は、塗装の種類や塗膜の厚さによって耐久性が左右されます。

おすすめはUV塗装の施されている材料です。

ポイント
UV塗装とは、紫外線を照射すると短時間で硬化する特殊な塗料を用いる方法で、ウレタン塗装などその他の造膜系塗装よりも分厚い塗膜を形成できます。

耐水性・耐汚性・耐熱性・耐摩耗性に優れているため、まさにカウンター材やテーブルの天板に最適です。

ただし、UV塗装には大掛かりな設備が必要で対応できるメーカーは限られるので注意してください。


UV塗料は、樹脂系塗料のように硬化する過程でCO2が出ず、シンナーなどの揮発性有機化合物(VOC)を含まない環境に優しい塗料である点もポイントです。

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まとめ

カウンター材は、その上で作業したり人の手に触れたりすることが多いため、見た目やデザイン性に加えて耐久性やメンテナンス性も重要です。

また、建物用途や取り付けする箇所数によっては、コストや施工性の精査も欠かせません。

「天然の魅力を生かした設計デザインにしたい」「天井や壁、ドアなどとトータルコーディネイトしたい」という方には、突板化粧板がおすすめです。

ぜひに一度、恩加島木材の突板製品をご検討ください。