〈ケヤキ(欅)木材〉用途・特徴やメリット・デメリットを解説|価格・強度についても

〈ケヤキ(欅)木材〉用途・特徴やメリット・デメリットを解説|価格・強度についても

街路樹などで見かけることも多い「ケヤキ(欅)」は、木材へも加工され、建築材料として使われています。

ところが、「ケヤキ(欅)」の木材としての特徴はあまり知られていません。

そこで、今回は「ケヤキ材」の特徴やメリット・デメリット、価格について木材のプロが詳しく解説します。

ウッドインテリアの材料をご検討中の方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
● 「ケヤキ材」は、美しい木目と高級感のあるツヤ、耐久性が魅力です。

● 「ケヤキ材」は変形リスクや価格面、施工性においてデメリットがあるため、内装材を選ぶ際は「突板化粧板」がおすすめです。

● 恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。



ケヤキ材の特徴とメリット

ケヤキ(欅)材の特徴とメリット
ケヤキ(柾目)

ケヤキ(欅)は、街路樹として植えられていることも多く、親しみのある樹種です。

主に、暖温帯を中心とした地域に分布していますが、木材としての原産地は、日本(本州・四国・九州)や、中国、朝鮮半島です。

成長の過程で多くの水分や養分を必要とし、山腹から斜面下部の日当たりがいい場所を好むため、適度な降雨量と山岳地帯の多い東アジアを生息圏としています。

生物学的な特徴は以下の通りです。

【種目】ニレ科ケヤキ属(広葉落葉高木・雌雄同株)
【花・葉】花は4~5月頃に咲き、秋になると紅葉する
【その他の特徴】樹皮の新陳代謝が良いため、鱗状に剥がれ落ちる


ケヤキの樹皮が新陳代謝によって剥がれ落ちる様子
(樹皮が新陳代謝によって剥がれ落ちる様子)

徳川幕府がケヤキの木を全国各地に植えたことで、今でも神社仏閣では樹齢100年を超える大木も多く現存しています。

では、今度は木材としての特徴を紹介します。

【木目】はっきりしていて美しい
(木目が細かいものは、変形が少ないため高価)
【色味・ツヤ】黄色味がかった色味で、ツヤがよく高級感がある
【密度(硬さ・重量)】密度は0.66g/立方cmと杉の約2倍程度の高密度で、硬くて重い
【性能】耐久性・耐水性・耐朽性が高いため、大黒柱など主要な構造体としても使われる
(耐用年数が長く、800〜1000年もつという説も)


ポイント
ケヤキ材は古くから高品質な建築材料として活用されてきた歴史があり、構造材としてだけではなく、高級な内装材としても使われてきました。




ケヤキ材の欠点・注意点やデメリット

ケヤキ(欅)材の欠点・注意点やデメリット
ケヤキ(板目)

美しく高級感がある木目と、高密度で耐久性の高いケヤキですが、建築材料として使う場合には、知っておかなくてはいけないデメリットがあります。

  • 高密度ゆえに、硬くて重いため、加工や施工が大変
  • 人工林面積が少なく希少性が高いため、高価
  • 含水率のコントロールが難しく、乾燥に時間がかかるため、材料によっては加工後も反りや伸縮、木割れのリスクが高い


ケヤキの無垢材を内装などに使う場合は、これらのデメリットを踏まえて材料を選ばなくてはいけません。


ケヤキ材の用途や見分け方

ケヤキ(ロータリー杢目)

ケヤキ材は、漆器や杵・臼などの小さなものから、船舶の材料、枕木、そして、柱・梁・土台などの構造材や内装材などの建築材料と、幅広い用途で使われています。

格式高い神社仏閣の建築材料としても用いられており、京都にある清水寺の「清水の舞台」は世界的に有名です。

清水の舞台を支える太い柱は、全てケヤキ材が用いられており、大きなものは長さ10m・直径2mを超えています。

ケヤキ材が使われている「清水の舞台」
(ケヤキ材が使われている「清水の舞台」)


ケヤキかどうか見分ける場合、色味だけではプロでも判断できません。

なぜなら、色の個体差が大きく、赤みを帯びたオレンジがかったものから、黄色みがかっているもの、白褐色のものと、色のレパートリーが豊富だからです。

また、産地によっても色味に違いがあるため、材料を選ぶ際には産地にもこだわる必要があります。


ケヤキ材の値段は高い?原木価格データから見る価格傾向

ケヤキ(欅)材の値段は高い?原木価格データから見る価格傾向

ケヤキは、明治末期から昭和初期にかけて全国で人口造林が進み、1936年には約5,700haものケヤキ人工林があったと言われています。

ところが、戦後、人口造林はほとんど継続されず、段々とその面積は減少していったのです。

ケヤキ人工林面積の推移
(出所:林野庁|ケヤキ人工林の現況について


このように、ただでさえ人工林面積が激減した状態に加え、丸太価格における製品化コストの高さも流通量が少ない要因といえます。

日本の丸太価格におけるコスト割合を見ると、一本の丸太を伐採しても、価格のうちのおよそ30%程度しか利益になっていません。

(引用:林野庁|我が国林業の構造的な課題


日本では育てて伐採してもあまり利益がでないため、元々人工林面積の少ないケヤキは、あまり市場に出回らないのです。

では、ここで具体的な原木価格を見てみましょう。

林業の盛んな奈良県の調査によると、ケヤキ材は他の広葉樹種より原木価格は高めです。

樹種平均原木価格
サクラ39,000/㎥
ホオノキ27,000/㎥
ケヤキ59,000/㎥
(参考:奈良県|樹種ごとの原木価格と末口径、材長


直径80cm、長さ5mを超えるような大木になると1本あたり10万円程度の価格がつき、突板を製造するための太いものですと、1本あたり100万円を超えるものも少なくありません。


ケヤキ内装材は“恩加島木材”にご相談を

突板のメリット・デメリット

ケヤキは、美しい木目と豊かな色合いが魅力で、内装材としても多く用いられる樹種です。

ただし、無垢材は高価で重く、硬いため加工や施工は簡単ではありません。

そこで内装材としておすすめするのが、「突板化粧板」です。

突板化粧板とは、天然木を0.2~0.3mm程度のシート状にスライスした“突板”を合板などに接着した内装建材です。

「突板化粧板」のメリット
● 表面は天然木なので、無垢材と同様にナチュラルな見た目になる。

● 材料の軽量化が実現でき、施工効率性アップにつながる。

● 温度や湿度環境変化による変形リスクが少ない。

● 希少価値があり高価な材料でも、無垢材より木材量を減らせるため、安価な上に、安定して材料を入手しやすい。

● 樹木1本から取れる突板面積は、無垢材を板材にするよりも広いため、同じ風合いを大量入手しやすい。

● 特殊塗装によって、表面の耐キズ性・耐汚性を高められ、日焼けによる材料の変色も抑えられる。

● 貼り合わせる基材種類によっては、不燃・難燃認定を受けられるため、内装制限のある建築物にも採用しやすい。


恩加島木材では、国内外より良質なケヤキの突板を仕入れ、高品質かつレパートリー豊富な突板化粧板・突板複合板を製造販売しております。


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PANESSE(パネッセ)

突板練付化粧板

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意しています。

樹種はカラマツを含んだ40種類以上から選定可能で、内装制限の対象部位にも採用いただける認定商品もご用意しています。

▶︎「PANESSE」の詳細はこちらから




リブパネル・ルーバー

リブパネル・ルーバー

弊社では、PANESSEと同じ樹種ラインナップで、最近トレンドのリブパネルやルーバーもご用意しています。

もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場で組立している高精度・省施工型の製品です。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物へもご採用いただけます。

▶︎「リブパネル・ルーバー」の詳細はこちらから

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天然木突板シート

突板シート

木口や細かい部分、曲部には、突板化粧板と同様に天然木突板を用いた「突板シート」をご採用ください。

こちらも、PANESSEの化粧板と同じ樹種をご用意しています。

特殊複合紙の表面に0.2mm厚さの突板を貼り合わせた総厚0.4mmの化粧シートで、板状の材料では対応しきれない部分の施工におすすめです。

国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材料であるため、内装制限のある施設にもお使いいただけます。


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まとめ|重くて硬く高価なケヤキ材は突板化粧板がおすすめ

ケヤキ材は、美しい見た目と高耐久性がメリットですが、一方で変形リスクもあり、硬くて重い上に、価格は高めな点がデメリットです。

そのため、品質の近い材料を大量に使う公共施設・商業施設などでは、なかなか採用しにくいかもしれません。

そこでおすすめなのが、「突板化粧板」です。

天然木の風合いを表現できる上に、施工性・品質安定性やコスト面において、無垢材と比べても決して引けをとりません。

天然木の色合いや質感がありながらも、無垢材よりも軽く施工性が高い上にリーズナブルな点が魅力です。

「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「コストの高い樹種を採用したい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。