“早材”と“晩材”の違い|年輪・木目が生まれるメカニズムを木材のプロが解説
木材を選んでいると、「早材・晩材」というキーワードを見かけることがありますよね。
これは、木の成長に合わせて異なる性質を持つ木材の部位です。
ところが、それぞれの違いを詳しく知る方はあまり多くないでしょう。
そこで今回は、「早材・晩材」の見分け方や特徴の違いを、木材のプロが詳しく解説します。
設計デザインのイメージに合う木質内装材をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
● 「早材」と「晩材」が生み出す美しい木目を活かした内装建材は、「突板化粧板」がおすすめです。
● 恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、内装制限の対象部位にもご採用いただける高品質で多彩な突板製品をご提供しています。
Contents
早材と晩材とは?読み方と見分け方
木は、樹皮のすぐ内側にある形成層で細胞分裂を起こして周囲に新しい細胞を積み重ねていきながら少しずつ太くなります。
春から夏にかけては早く成長し、夏から秋にかけてはゆっくり成長するのです。
この成長スピードの差が、早材と晩材の違いです。
部位の名称 | 読み方 | 性質 |
---|---|---|
早材 | そうざい | 「春から夏にかけて早く成長する部分」 目幅が広く色が薄い |
晩材 | ばんざい | 「夏から初秋にかけてゆっくり成長する部分」 目幅が狭く色が濃い |
木は成長の過程で早材と晩材を交互に繰り返し、早材と晩材が切り替わる部分が年輪となり、それが連なると木目が生まれます。
夏目・冬目や春材・夏材(秋材)と言う呼び名も
早材と晩材という呼び名以外に、夏目・冬目や春材・夏材(秋材)と呼ばれることがありますが、基本的な意味はどれも同じです。
- 「早材」=夏目・春材(はるざい)
- 「晩材」=冬目・夏材(なつざい)・秋材(あきざい)
心材・辺材で色味が変わる樹種も
木の色は、早材と晩材で切り替わるだけではなく、樹種によっては「心材」と「辺材」で変わるものもあります。
部位の名称 | 読み方 | 性質 |
---|---|---|
辺材 | へんざい | 「樹皮に近い部分」 新しい細胞で形成され、水や養分を吸い上げる部分 |
心材 | しんざい | 「中心に近い部分」 辺材としての役目を終えて細胞が死んだ部分 |
樹種だけではなく、生育した環境によって風合いが異なるため、木材を選ぶ際には産地も重要なチェックポイントです。
また、材料を裁断する方向によって板目と柾目が現れ、全く異なる印象になります。
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早材と晩材の違い|密度・硬さ・仮道管・経年変化
木目を作り出す早材と晩材ですが、違いは目幅や色味だけではありません。
性質や取り扱い方が異なるので、それぞれの特徴を紹介します。
部位の名称 | 性質 |
---|---|
早材 | ・急速に成長するため、仮道管は必要な水分を葉の先まで行き渡らせる必要があり、壁が薄く隙間が多い (=密度が低い・柔らかい) ・仮道管が太いため、水分や塗料が浸透しやすい (=着色しやすい) |
晩材 | ・ゆっくり成長するため、仮道管は壁が厚く隙間が少ない (=密度が高い・硬い) ・仮道管が細いため、水分や塗料が浸透しにくい (=着色しにくい) |
年数が経つと、柔らかい早材の部分だけが先に摩耗(風化)して晩材が浮き出てくる現象を”目やせ”と言います。
“浮造り(うづくり)加工”と呼ばれ、木目を際立たせたい場合に使われます。
早材・晩材のコントラストを生かした施工性の高い“突板化粧板”
早材と晩材が織りなす美しい木目をウッドデザインに取り入れたい場合、真っ先に思い浮かぶ材料は無垢材ですよね。
ところが、無垢材は樹種によっては高価な上に重く、温度や湿度環境で変形したり木割れを起こしたりするなど、取り扱いが難しい点がデメリットです。
そこでおすすめなのが、「突板化粧版」です。
突板とは、天然木を薄くスライスした材料で、合板などと貼り合わせ、化粧板として内装仕上げに使われています。
● 材料の軽量化が実現でき、施工効率性アップにつながる。
● 温度や湿度環境変化による変形リスクが少ない。
● 希少価値があり高価な材料でも、無垢材より木材量を減らせるため、安価な上に、安定して材料を入手しやすい。
● 樹木1本から取れる突板面積は、無垢材を板材にするよりも広いため、同じ風合いを大量入手しやすい。
● 特殊塗装によって、表面の耐キズ性・耐汚性を高められ、日焼けによる材料の変色も抑えられる。
● 貼り合わせる基材種類によっては、不燃・難燃認定を受けられるため、内装制限のある建築物にも採用しやすい。
無垢材の風合いを活かしながらも、コスト面・性能面のメリットをプラスした内装材こそ「突板化粧板」です。
“恩加島木材”の突板製品
恩加島木材は、昭和22年創業以来、国内外から良質な突板を仕入れ、高品質な突板製品を作り続けてきました。
弊社の不燃突板複合板は、日本初・大臣認定取得商品です。
内装制限の対象となる部分にも、安心してご選定いただけますので、ぜひ採用をご検討ください。
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PANESSE(パネッセ)
弊社オリジナルの天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意しています。
樹種は40種類以上から選定可能で、国産材・地産材のご注文も承っておりますので、産地にまでこだわりたい方におすすめです。
リブパネル・ルーバー
弊社では、PANESSEと同じ樹種ラインナップで、最近トレンドのリブパネルやルーバーもご用意しています。
リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。
基材は不燃(ダイライト、エースライトなど)やアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)からお選びいただけますので、内装制限のある建物へもご採用いただけます。
天然木突板シート
木口や細かい部分、曲部には、突板化粧板と同様に天然木突板を用いた「突板シート」をご採用ください。
こちらも、PANESSEの化粧板と同じ樹種をご用意しています。
特殊複合紙の表面に0.2mm厚さの突板を貼り合わせた総厚0.4mmの化粧シートで、板状の材料では対応しきれない部分の施工におすすめです。
国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材料であるため、内装制限のある施設にもお使いいただけます。
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まとめ|早材と晩材が美しい木目をつくる
なんとなく見ている木目は、早材と晩材が積み重なることで生まれます。
それぞれの特性を知ることで、より深く木材を選べるようになるはずです。
美しい木目と施工性、コストパフォーマンス、どれも捨て難いという方におすすめなのが、「突板化粧板」です。
内装制限の対象部分にも使える不燃・難燃認定商品もありますので、「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「コストの高い樹種を採用したい」とお考えの方は、ぜひ恩加島木材の突板製品をご検討ください。
恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。