〈チーク・突板化粧合板〉特徴や木目・カラーの種類、よくあるQ&Aを解説
世界三大銘木のうちの一つとしても知られる「チーク」は、フローリング材など内装建材へ多く用いられている人気の樹種です。
しかし、「チーク」という名前はよく聞くものの、その特徴をあまり知らないという方も少なくないはずです
そこで、今回は「チーク」の特徴やメリット・デメリット、多くの方が気になる疑問について解説します。
ウッドインテリアの材料をご検討中の方は、是非参考にしてください。
● 材料コストの削減や安定的な材料入手を重視する方には「突板化粧板」がおすすめです。
● 恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。
Contents
チークの特徴や耐久性は?
世界三大銘木とされているのが、「チーク」「マホガニー」「ウォールナット」です。
その中でも、チーク材は主にフローリングなどの内装建材へ加工されています。
クマツヅラ科チーク属の落葉紅葉樹で、東南アジアや南米などの熱帯地域が主な産地です。
特に、ミャンマーチークは良質な木材として有名で、樹齢100年越えの天然木から切り出されます。
インドネシア産チークも人気ですが、こちらは植林木で比較的樹齢が若い点が異なる点です。
※詳しくは「ミャンマーチークの魅力とは?特徴から経年変化まで詳しく解説」をご覧ください。
雨季と乾季を繰り返すモンスーン気候は、木の育つ環境として適しているため、樹高は40m程度、直径は2mを超えるものも少なくありません。
ただし、世界的な違法伐採撲滅の動きから、チーク材の産地である多くの地域で産出量が減ったため、それに伴って世界的な流通量も減少しています。
そのため、近年は希少価値の高まりから、価格も高騰しているのが現状です。
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では、チーク材の特徴について詳しく解説します。
耐久性が高い
チーク材は、密度や重量の指標である気乾比重(乾燥木材の重さと同じ体積の水の重さを比較した数値)の平均値が「0.69」と高く、“硬くて重い”樹種です。
杉の気乾比重が「0.38」程度ですから、比較すると高密度であることが分かります。
そのため、衝撃に強くキズが付きにくく、フローリングやドアなどの内装建材に多く用いられています。
耐水性が高い
チークには精油成分が多く含まれているため、耐水性が高い点が強みです。
オイル塗装を施さなくても、屋外施工が可能なほどです。
古くから建築材料だけではなく造船の材料としても用いられています。
耐水性の高さから、テーブルの天板やカウンターなど、水拭きする部分におすすめです。
腐りにくい・防虫性が高い
木材に含まれる精油の主成分は、フィトンチッドなどの「テルペン類」と呼ばれる揮発性油分です。
この成分には、腐朽菌やカビ、シロアリを寄せ付けない効果があります。
そのため、数百年前に建てられた歴史的建造物においても、チーク材は多く現存しています。
反りや割れが生じにくい
チーク材は湿度変化の影響を受けにくいため、反りなどの変形リスクが少ないと言えます。
また、施工してから年月が経っても、比較的木割れが起こりにくい点もメリットです。
ただし、チーク材の精油成分には揮発性があるため、年月とともに段々と乾燥するため、表面をコーティングする塗装や、定期的なオイル塗装をおすすめします。
高級感ある黄金色
幹の中心に近い心材は濃い黄金色、樹皮に近い辺材は淡い黄褐色をしています。
心材と辺材のコントラストが美しく、全体的に黄色味がかった特徴的な色合いをもち、意匠的な観点から採用されるケースも少なくありません。
チーク材のデメリットを解決するのが「天然木突板化粧板」
チークは多く含まれる油分によって、しなやかで耐水性の高い木材となります。
しかし、他の樹種よりも水分量・油分量が多いゆえに、伐採から木材に適した含水率にするまでの乾燥時間が長い点がデメリットです。
十分乾燥させなかったり、機械で熱を加えて急激乾燥させたりすると、変形や木割れのリスクが高まります。
そのため、製材までのコストが高く、昨今はそれに加えて流通量が減少しているため、価格が高い点も無視できません。
そこでおすすめなのが、「突板化粧板」です。
突板化粧板とは、天然木を0.2~0.3mm程度のシート状にスライスした“突板”を合板などに接着した内装建材です。
● 材料の軽量化が実現でき、施工効率性アップにつながる。
● 温度や湿度環境変化による変形リスクが少ない。
● チーク材のように希少価値があり高価な材料でも、無垢材より木材量を減らせるため、安価な上に、安定して材料を入手しやすい。
● 樹木1本から取れる突板面積は、無垢材を板材にするよりも広いため、同じ風合いを大量入手しやすい。
● 特殊塗装によって、表面の耐キズ性・耐汚性を高められ、日焼けによる材料の変色も抑えられる。
● 貼り合わせる基材種類によっては、不燃・難燃認定を受けられるため、内装制限のある建築物にも採用しやすい。
無垢材の風合いを活かしながらも、コスト面・性能面のメリットをプラスした内装材こそ「突板化粧板」なのです。
木口や細かい部分にはナラ材の「天然木突板シート」を
木口や細かい部分、曲部には、突板化粧板と同様に天然木突板を用いた「突板シート」をご採用ください。
特殊複合紙の表面に0.2mm厚さの突板を貼り合わせた総厚0.4mmの化粧シートで、板状の材料では対応しきれない部分の施工におすすめです。
もちろん、化粧板と同じ突板を用いているため、インテリアのトータルコーディネイトにも適しています。
国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材料であるため、内装制限のある施設にもお使いいただけます。
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チーク突板化粧板のラインナップ|板目・柾目
恩加島木材では、高品質なだけではなく、様々な建物や納まり、デザインを実現できる多彩な商品を取り揃えています。
チーク材を含め、常時40種以上の樹種を取り揃え、さらにそれぞれ複数の木目模様をご用意していますので、設計デザインのイメージに合わせてお選びください。
では、弊社製品の特徴と合わせて、チーク材の木目ラインナップをご紹介します。
PANESSE(パネッセ)
こちらは、天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意しています。
樹種も40種類以上からご選定可能で、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。
チーク材は、「柾目」「板目」の2種類からお選びいただけますので、ぜひご検討ください。
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KDパネル
KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、当社が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。
0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板。
天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。
チーク突板化粧板は、カラーが異なる以下の7種類からお選びいただけます。
リブパネル・ルーバー
最近トレンドのリブパネルやルーバーも、PANESSEの化粧板と同じ樹種で製造しております。
リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。
ルーバーも同様で、高意匠ルーバーとして多くの現場でご好評いただいています。
基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物へもご採用いただけますので、ぜひご検討ください。
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詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。
チーク突板化粧板に関するよくあるQ&A|経年変化やお手入れ方法
チーク材は耐久性・耐水性の高さや独特な色味によって、内装材として人気の高い樹種です。
ただし、材料の種類や施工後の取り扱い方などを理解しておかないと、後で思わぬトラブルに発展しかねません。
そこで、多くの方が気になる点についてお答えします。
チーク突板化粧板の厚さはどのくらい?
恩加島木材のチーク突板化粧板は、基材の種類によって厚さが異なります。
【基材の種類】 | 厚さ(単位:mm) |
不燃材 | 6/9/12/15/18/21/24 mm |
難燃材 | 15 mm |
MDF | 2.5/4/5.5/6/7/9/12/15/18/21/24/30 mm |
合板 | 2.5/4/5.5/6/9/12/15/18/21/24/30 mm |
シート材 | 0.4〜1.2 mm |
現場の納まりや仕様に合わせて、適切なものをお選びください。
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チーク突板化粧板の経年変化は?
チーク材は、年月が経つほど含まれる精油成分が表面に浮き出て艶が増します。
そして、色味は黄色味がかった白褐色・黒褐色から、まず赤みがかった濃い色に変化し、その後徐々に色が薄れて、最終的には灰褐色へと変色するのが特徴です。
この経年による変色も、チーク材に深みをプラスします。
ただし、精油成分は少しずつ蒸発してしまいますし、紫外線を多く受ける場所では表面に細かいひび割れが発生するため、十分注意しましょう。
恩加島木材では、UV塗装や日焼け防止塗装などの特殊塗装も全て自社工場で行なっています。
「ザ・ファインタワー大手前」では、実際に日焼け防止塗装を施した材料をご採用いただきました。
チーク突板化粧板はどうやってお手入れするの?
屋外や紫外線を多く受ける場所へは、定期的にオイル塗装をするのがおすすめです。
そして、日常的な汚れは、硬く絞った布巾で拭き取る程度に留めましょう。
汚れがひどい時は水で薄めた中性洗剤を使うこともできますが、変色する可能性もあるため、まずは目立たないところで試してみることをおすすめします。
どちらの場合も、水気が残らないようにすぐ乾拭きする点がポイントです。
耐汚性を高めたい箇所には、ウレタン塗装やUV塗装をご検討ください。
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恩加島木材の取り組み
私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ内装材を作り続けてきました。
突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。
木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。
内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせません。
当社では、地球環境を守るために、以下の取り組みを行っています。
国産材・地域材の利用
産地を限定した国産材・地域材を積極的に用いて、日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るために取り組んでいます。
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
金沢サッカー場内装(石川県産材利用)
鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)
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間伐材の利用
森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。
弊社では、杉・桧の小径間伐材からスライスされた突板をバランスよく配置して美しい突板化粧板を製造。
森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、SDGs実現に向けた取り組みとして間伐材の積極的利用を行っています。
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人工突板の開発・製造
「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。
間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。
森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。
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自社工場での自然エネルギー活用
2023年10月より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。
まとめ|価格の高いチーク材は突板化粧板がおすすめ
チーク材は、その耐久性・耐水性や意匠性の高さから人気の高い樹種ですが、年々その流通量は減少しており、良質な材料は価格も高価です。
そのため、無垢材ではコスト面で採用のハードルが高く、同じ品質のまとまった量の材料を入手するのが困難な点は否めません。
そこでおすすめなのが、「突板化粧板」です。
天然木の風合いを表現できる上に、材料コスト削減や軽量化を実現できます。
恩加島木材では、柾目・板目に加え、樹種によっては独特な印象を持つ“杢目”柄もご用意し、産地を限定した材料もご提供可能です。
製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっていますので、「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「コストの高い樹種を採用したい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。
〈日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”
建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。
天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。
しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。
- 重い
- 割れやすい
- 高コスト
- ビスが効かない
それらの問題を解決したのが、「恩加島木材の不燃突板複合板」です。
天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。
日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?
恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。
随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。