〈タモ・突板化粧合板〉特徴やメリット・デメリット、よくあるQ&Aを解説

タモ材の特徴と突板化粧板

国産材を中心に希少価値が高まっている「タモ材」は、その美しい木目ゆえに、内装建材として人気の高い樹種です。

しかし、タモ材の特徴を詳しく知らない方も多いでしょう。

そこで、今回は「タモ」の特徴やメリット・デメリット、多くの方が気になる疑問について解説します。

ウッドインテリアの材料をご検討中の方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●「タモ材」は、高耐久で木目が美しい点から内装材として人気の高い樹種で、その中でも国産材は希少価値があり、高値で取引されています。

● 材料コストの削減や安定的な材料入手を重視する方には「突板化粧板」がおすすめです。

● 恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。



タモの特徴や耐久性は?

タモの特徴
タモ(板目)

「タモ」は、アッシュ材とも呼ばれるモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、主に家具の材料や床材へ使われます。

ポイント
北米産のタモ材をホワイトアッシュ、北欧産のタモ材をヨーロピアンアッシュと呼びますが、「タモ材」と呼ばれる国産材や中国産、ロシア産と比べると、木目の色味が異なり、質感が粗いため、別の樹種として扱われるのが一般的です。


日本では北海道から本州北部に生息し、良質な国産材が産出されてきましたが、昨今では林業衰退とともに、その生産量は減少しています。

国産材に代わり中国産やロシア産が多く流通してきましたが、中国では自国需要が高まり輸出量が減り、ロシアは2022年1月以降、非友好国への未加工丸太の輸出を禁止したことから、日本へのタモ材輸出量が激減しているのが現状です。(参考:林野庁|ロシアからの木材輸入動向などについて

そのため、建築材の市場におけるタモ材の希少価値は、かなり高まっています。

では、タモ材の特徴について詳しく解説します。

硬くて耐久性・耐衝撃性が高い

タモ材の最も特徴的な点は、高密度・高硬度であるところです。

産地などによって密度や重量の指標である気乾比重(乾燥木材の重さと同じ体積の水の重さを比較した数値)は異なりますが、平均値は「0.65」程度で、杉・桧など針葉樹の「0.4〜0.5」と比べても、重くて硬いことが分かります。

そのため、耐久性・耐衝撃性が高く、フローリングやドアなどの内装建材の材料に適しています。

しなやかなのに変形しにくい

高硬度である樹種のデメリットとして変形に弱い点が挙げられますが、タモ材は丈夫なのに弾力があってしなやかであるのが特徴です。

実際、この特性を活かして野球バッドやテニスラケットの材料としても活用されています。

しなやかさに加えて、製材後も狂いが少なく加工しやすい点もメリットです。

枝下の幹が長く、水平方向にカットした際に樹形が真円に近いため、歪みのない材料を多く採取できます。


木目の美しい色合い

幹の中心に近い心材から、樹皮に近い辺材にかけて、グラデーションのように色が変化しているのが特徴で、全体的には白褐色をしています。

北欧インテリアや和風インテリアなど、爽やかで明るい色味で仕上げたい場合におすすめです。

産地によって、ホワイトアッシュやオリーブアッシュ、ブラウンアッシュ、ブラックアッシュなど、色合いが異なります。

まっすぐ空に向かって伸びるため、木目が直線的ではっきりしている点も特徴です。

国産のタモ材は、他の産地材よりも木目が詰まっていて木肌が滑らかで、さらに板目の年輪が鋭角であり、内装仕上げ材として重宝されています。



タモ材のデメリットを解決できるのが「天然木突板化粧板」|家具・建具壁・天井材におすすめ

突板のメリット・デメリット

まず、高密度であるが故に、重くて硬いため、細かい加工が難しく、施工効率も軽くて柔らかい木と比べると劣りまます。

また、昨今は中国産・ロシア産の流通量が激減していることから価格が高騰しており、良質な無垢材を確保するのが難しい点は否めません。

そこでおすすめなのが、「天然木突板化粧板」です。

突板化粧板とは、天然木を0.2~0.3mm程度のシート状にスライスした“突板”を合板などに接着した内装建材です。

「突板化粧板」のメリット
● 表面は天然木なので、無垢材と同様にナチュラルな見た目になる。

● 材料の軽量化が実現でき、施工効率性アップにつながる。

● 温度や湿度環境変化による変形リスクが少ない。

● タモ材のように希少価値があり高価な材料でも、無垢材より木材量を減らせるため、安価な上に、安定して材料を入手しやすい。

● 樹木1本から取れる突板面積は、無垢材を板材にするよりも広いため、同じ風合いを大量入手しやすい。

● 特殊塗装によって、表面の耐キズ性・耐汚性を高められ、日焼けによる材料の変色も抑えられる。

● 貼り合わせる基材種類によっては、不燃・難燃認定を受けられるため、内装制限のある建築物にも採用しやすい。


無垢材の風合いを活かしながらも、コスト面・性能面のメリットをプラスした内装材こそ「突板化粧板」なのです。


木口や細かい部分にはタモ材の「天然木突板シート」を

突板シート

木口や細かい部分、曲部には、突板化粧板と同様に天然木突板を用いた「突板シート」をご採用ください。

特殊複合紙の表面に0.2mm厚さの突板を貼り合わせた総厚0.4mmの化粧シートで、板状の材料では対応しきれない部分の施工におすすめです。

もちろん、化粧板と同じ突板を用いているため、インテリアのトータルコーディネイトにも適しています。

国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材料であるため、内装制限のある施設にもお使いいただけますので、公共施設へご採用いただける点もメリットです。

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タモ突板化粧板のラインナップ|板目・柾目・集成・ミックス柄

タモの突板化粧板
KDパネル(K6197BS)

恩加島木材では、高品質なだけではなく、様々な建物や納まり、デザインを実現できる多彩な商品を取り揃えています。

タモ材を含め、常時40種以上の樹種を取り揃え、さらにそれぞれ複数の木目模様をご用意していますので、設計デザインのイメージに合わせてお選びください。

では、弊社製品の特徴と合わせて、タモ材の木目ラインナップをご紹介します。

PANESSE(パネッセ)

タモ集成
タモ(集成)

こちらは、天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意しています。

樹種も40種類以上からご選定可能で、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

タモ材は、「柾目」「板目」「集成柄」の3種類からお選びいただけますので、ぜひ採用をご検討ください。

▶︎「PANESSE」の詳細はこちらから


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KDパネル

K6187BS(板目・柾目ミックスランダム貼り)
K6187BS(板目・柾目ミックスランダム貼り)
K6187DS(板目・柾目ミックスランダム貼り)
K6187DS(板目・柾目ミックスランダム貼り)

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、当社が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

タモ材を用いたカラーレパートリーは「K6187BS」と「K6187DS」の2種類で、板目・柾目と、板目+柾目のミックス柄をご用意しています。

▶︎「KDパネル」の詳細はこちらから


リブパネル・ルーバー

リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、PANESSEの化粧板と同じ樹種で製造しております。

リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

ルーバーも同様で、高意匠ルーバーとして多くの現場でご好評いただいています。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物への採用もぜひご検討ください。

▶︎「リブパネル・ルーバー」の詳細はこちらから

▶︎「リブパネル」の規格図ダウンロードはこちらから


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一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。





タモ突板化粧板に関するよくあるQ&A|経年変化やお手入れ方法

タモ化粧板の施工事例
KDパネル(K6187DS)

タモ材は、明るく美しい木目と滑らかな質感から、内装材として人気の高い樹種です。

ただし、材料の種類や施工後の取り扱い方などを理解しておかないと、後で思わぬトラブルに発展しかねません。

そこで、多くの方が気になる点についてお答えします。

タモ突板化粧板の厚さはどのくらい?

恩加島木材のタモ突板化粧板は、基材の種類によって厚さが異なります。

【基材の種類】厚さ(単位:mm)
不燃材6/9/12/15/18/21/24 mm
難燃材15 mm
MDF2.5/4/5.5/6/7/9/12/15/18/21/24/30 mm
合板2.5/4/5.5/6/9/12/15/18/21/24/30 mm
シート材0.4〜1.2 mm
※商品ラインナップによって厚さが異なりますので、詳しくはお問い合わせください。


現場の納まりや仕様に合わせて、適切なものをお選びください。


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タモ突板化粧板の経年変化は?

タモ材は、時間が経つと色が濃くなるタイプですが、他の樹種と比べると色の変化は比較的少なくて、少し黄色味がかる程度です。

ただし、直射日光が常に当たっている場所とそうでない場所では、やはり色の差が目立ってしまいますし、オイル塗装やウレタン塗装を施してある材料は、変色スピードを加速させる可能性もあります。

そのため、特に経年変色を避けたい場所には、紫外線による変色を抑える塗料を選定しましょう。

恩加島木材では、UV塗装や日焼け防止塗装などの特殊塗装も全て自社工場で行なっているため、高品質な突板化粧板をご提供できます。

ザ・ファインタワー大手前」では、実際に日焼け防止塗装を施した材料をご採用いただきました。


タモ突板化粧板はどうやってお手入れするの?

タモ突板化粧板は、その質感を活かすために無塗装品が用いられるケースも多いですが、表面に保護塗装が施されていない状態では、水拭きできません。

日常的な軽い汚れは、硬く絞った布巾で拭き取る程度に留めてください。

しつこい汚れが付いた場合は、水で薄めた中性洗剤を使うこともできますが、変色する可能性もあるため、まずは目立たないところで試してみましょう。

どちらの場合も、水気が残らないようにすぐ乾拭きする点がポイントです。

耐汚性を高めたい箇所には、ウレタン塗装やUV塗装をおすすめしています。

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恩加島木材の取り組み

SDGs実現につながる“恩加島木材”の突板化粧板製品

私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ内装材を作り続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせません。

当社では、地球環境を守るために、以下の取り組みを行っています。

国産材・地域材の利用

産地を限定した国産材・地域材を積極的に用いて、日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るために取り組んでいます。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
金沢サッカー場内装(石川県産材利用)
鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)


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間伐材の利用

森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。

弊社では、杉・桧の小径間伐材からスライスされた突板をバランスよく配置して美しい突板化粧板を製造。

森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、SDGs実現に向けた取り組みとして間伐材の積極的利用を行っています。

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人工突板の開発・製造

原木 ロータリー

「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。

間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。

森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。

ポイント
“恩加島木材”は、国内で数少ない人工突板製品の開発・製造を行っている会社です。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。


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自社工場での自然エネルギー活用

2023年10月より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。



まとめ|価格の高いタモ材は突板化粧板がおすすめ

タモ材は、その耐久性や木目の美しさから、家具や内装建材としてとても人気の高い樹種です。

しかし、近年は国産材・輸入材ともにその流通量が減少しており、価格は高騰しています。

そのため、無垢材ではコスト面で採用のハードルが高く、同じ品質のまとまった量の材料を入手するのが困難な点は否めません。

そこでおすすめなのが、「突板化粧板」です。

天然木の風合いを表現できる上に、材料コスト削減や軽量化を実現できます。

恩加島木材では、柾目・板目に加え、樹種によっては独特な印象を持つ“杢目”柄もご用意し、産地を限定した材料もご提供可能です。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっていますので、「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「コストの高い樹種を採用したい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。


日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。



恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。