〈杉・突板化粧板〉特徴や木目の種類・カラー・価格について解説

杉突板化粧板の特徴

杉は、日本の森林に最も多く生育する樹種ですが、内装仕上げ材として使う場合、どのような特徴があるかあまり知られていません。

また、杉の突板はどのように建築へ取り入れられるのか、どのような商品があるのか詳しく知りたい方も多いでしょう。

そこで、今回は「杉材」の特徴や、木目の種類、内装へ取り入れる際のポイント、突板化粧板についてお話しします。

ウッドインテリアの材料をご検討中の方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●「杉」は、日本に多く生育する固有種で、加工性が高いため、建築材料として多く活用されています。

●「杉」と「桧」と特徴は似ていますが、見た目や性能面で違いがあります。

●「杉」を内装材として使う場合は、施工性が高く品質が安定している「突板化粧板」がおすすめです。

●恩加島木材は、杉材を初めとした産地にこだわった突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。



杉材とは?桧材との違い〈木目・カラー・強度・価格〉

すぎ

「杉」は、あまり知られていませんが日本固有の樹種で、主に建築材料へ加工されます。

柔らかいという特性から、加工が容易なため、柱などの構造材だけではなく、内装材としても使われます。

奈良県吉野で育つ「吉野杉」や、新潟県が産地の「越後杉」はブランド樹種として知っている方も多いでしょう。

杉材と合わせて日本に多く生育している樹種が「桧(ひのき)」です。

杉・桧を合わせると、日本国内に現存する人工林のおよそ70%もの面積に相当します。

人工林割合
(引用:林野庁|スギ・ヒノキ林に関するデータ


杉材と桧材は、どちらも建築資材として使われる常緑針葉樹なので混同されがちですが、木目や機能、価格に違いがあります。

生育地

全国で植栽されており、北海道・道南地域から沖縄県・本島北部地域まで分布している
北海道や沖縄県ではほとんど生育しておらず、東北南部から九州の間に分布している
矢印

杉材は、全国各地で育てられているため、地域材を活用したいプロジェクトにおすすめです。

木目の色

樹皮に近い辺材は白褐色で、中心に近い心材は黒味がかった赤褐色
樹皮に近い辺材は黄色味がかった白褐色で、中心に近い心材はピンクに味がかった近い白褐色
矢印

桧材は、年数が経ち木目以外の部分が痩せてきて、木目が浮き出てくるのが特徴で、味わいをプラスしたい場合におすすめです。

また、杉材よりも木目が薄いため、色のないプレーンなデザインに適しています。

すぎ
(杉・柾目)
桧
(桧・柾目)



木目の模様

年輪の模様がはっきり目視でき、柔らかいため経年変化によって木目が浮き出てくる
狭く等間隔で直線的な木目が特徴で、杉ほど柔らかくないため、年数が経っても木目は平滑なまま
矢印

杉材は、年数が経ち年輪以外の部分が痩せてきて、木目が浮き出てくるのが特徴で、味わいをプラスしたい場合におすすめです。

桧材では同じような現象は起こりませんが、「浮造り(うづくり)加工」によって、表面の風合いを再現することができます。

うづくり仕上げ
浮造り(うづくり)加工


強度

桧よりも柔らかく、強度を示すヤング係数(E値)は、E70~100程度
平均すると杉よりも硬く、強度を示すヤング係数(E値)は、E80~110程度

※ヤング係数:物体の“変形しにくさ”を示す指標で、数値が大きいほど強度が高く変形しにくいことを表す。

矢印

杉も桧も強度には個体差があり、部位によってヤング係数は異なるため、必ずしも杉より桧の方が強度面で優れているとは断定できません。

一般的に“桧の方が丈夫”というのは、あくまでも平均値として認識しておきましょう。

香り

フィトンチッドを初めとした揮発性物質が主成分
アルファピネンやボルネオールなどの揮発性物質が主成分
矢印

杉・桧ともに、香り成分に含まれる揮発性物質には、抗菌作用やリラックス効果があることが認められています。

ただし、桧の方が杉よりも香りが強く、持続性もあります。

価格

杉と桧の価格を比較すると、丸太・製材共に、桧の方が値段が高く、2021年の平均素材価格は、杉・16,100円/㎥、桧・25,900円/㎥と、およそ1万円も差があります。

杉と桧の価格差
(引用:林野庁|第1部 第3章 第1節 木材需給の動向(3)


そのため、「杉材は桧材の代用」と捉えられる場合もありますが、内装材においてはどちらも木目が美しく、人気の高い樹種に変わりありません。

デメリット

柔らかいゆえに、表面にキズがつきやすい
油分が多いため、現場での着色が難しい
矢印

杉材は、柔らかく加工しやすい反面、内装材に用いるとキズが気になるというご意見を耳にします。

ただし、表面を加工すれば、キズだけではなく汚れがつきにくくすることもできます。

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杉を内装に使うなら“突板化粧板”がおすすめ

突板のメリット・デメリット

突板化粧板とは、天然木を薄くスライスした突板を合板などの基材に貼り合わせた内装材です。

「“木”本来のナチュラルな風合いを活かしたい」と無垢材を選ぶ方も多いですが、突板化粧板の表面は、天然木そのものなので、色合いや艶感は無垢材と比べて遜色ありません。

むしろ、無垢材よりも施工面・コスト面で優れている点もあります。

  • 天然木と同様に美しい木目を表現できる
  • 無垢材よりもコストを抑えられる
  • 良質な材料を安定的にまとめて入手しやすい
  • 軽量且つ伸縮が少なく寸法安定性が高い
  • 無垢材よりも軽量化できるため、施工性が高い
  • 基材に不燃材を選べば、内装制限のある建物にも採用できる
  • 表面加工によって耐キズ性や耐汚性を高められる


杉材は、加工しやすい反面、キズがつきやすいため、内装材として採用することを躊躇してしまう方もいるでしょう。

恩加島木材の突板化粧板は、耐久性・耐水性・耐汚性・耐熱性を高められるUV塗装のオプションもご用意しています。

また、希少性の高い吉野杉を初めとした銘木を、無垢材よりもお手頃な価格で内装デザインに採用できる点も魅力です。



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恩加島木材の“杉材”を用いた突板化粧板

サスティナブルな内装建材

私たち“恩加島木材”は、原料となる突板の選定」、「職人による貼り作業」、「特殊加工や塗装」、「在庫管理」、「出荷作業」までの一連を、全て自社工場にて行なっている点が強みです。

1947年創業以来培った経験と知識を活かし、杉材をはじめとした幅広い樹種の突板を取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。

PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意した商品です。

樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

杉突板を用いたものは、一般的な柾目・板目に加えて、カジュアルな印象になる集成柄もご用意しています。

▶︎「PANESSE」の詳細はこちらから


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リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、PANESSE化粧板と同じ樹種で製造しております。

もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

高意匠な内装材として、ご好評いただいております。

リブパネルはHPより規格書をダウンロードできますので、是非ご検討ください。

▶︎「リブパネル・ルーバー」の詳細はこちらから


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ポイント
世界的に著名な建築家の方が設計した建築物へも、当社製品が採用されています。

詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。




その他の樹種も恩加島木材へお任せを

サテンウォールナット

恩加島木材では、杉材の他にも美しい木目・色合いが特徴的な樹種を数多く取り揃えています。

ここでは、特に人気の樹種4選を紹介します。

ウォールナット

ウォールナット
ウォールナット・柾目)

少し紫がかったダークブラウンが特徴で、真っ直ぐ成長するため、木目は均一で直線的です。

経年と共に落ち着いた色に変化していきます。

人気が高い樹種で乱伐を防ぐために取引が制限されていることもあり、良質で幅の広いウォールナット材は希少価値が高く入手は困難です。

そのため、突板化粧板をぜひご検討ください。



チーク

チーク
チーク・柾目)

主に東南アジアが産地の樹種で、油分を多く含むため、耐水性・耐久性が高い点が特徴です。

経年変化によって深みある色に変わり、艶感が増します。

時間をかけて乾燥させるミャンマーチークは特に良質ですが、希少価値が高いため、無垢材ですとまとまった量は入手困難です。

恩加島木材では、ミャンマーチークの突板入手も行っています。



タモ

タモ・柾目)

ロシア産が有名ですが、最近は国産(北海道産)の流通も増えています。

明るい色合いと通直な木目が特徴です。

恩加島木材では、杉材と同様に、板目・柾目だけではなく集成柄もご用意しています。



セン

セン・板目)

国産材が主の樹種です。

白褐色と美しい木目が特徴で、心材(中心に近い部分)と辺材(樹皮に近い部分)の色合いが異なります。

ホワイトアッシュやヨーロピアンアッシュと風合いが似ていますが、より繊細で和風インテリアとの相性も抜群です。


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高耐久+抗菌性能付き「KDパネル」もおすすめ

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

強度が重要なテーブル天板やドアなどに多くご採用いただいておりますので、ぜひ合わせてご検討ください。

「圧倒的な木質感」

0.5mmの厚単板を使用。日本で一般的な0.2mm単板では表現が難しい、立体的ではっきりとした木目を実現しています。

「高強度抗菌UV塗装」

KEDING社独自技術のナチュラルマットUV塗装により、天然木の質感を残しながらも耐傷性、防汚性、 耐熱性などの高い耐久性を保持しています。傷や汚れが付き易い天板や壁面の使用にも適しています。

「豊富なラインナップ」

12樹種・44バリエーションのラインナップ。 多種多様な色柄でどんな空間作りにもお応えします。 各品番に突板シートもご用意していますので、 底目地テープや木口テープとしてお使いいただけます。

「短納期」

常時在庫の塗装完成品のため、ご注文の翌日に出荷が可能です。

▶︎「KDパネル」の詳細はこちらから



“恩加島木材”の取り組み

SDGs実現につながる“恩加島木材”の突板化粧板製品

“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質で意匠性の高い内装材を作り続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設へご採用いただいています。

また、カーボンニュートラルや脱炭素化に向けた積極的な取り組みを通して、サスティナブルな建築材料をご提供するべく努めております。

ウッドインテリアをご検討中の方はもちろん、環境に配慮した建築材料をお探しの方も、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。

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国産材・地産材の積極的な利用

産地を限定した国産材・地産材を積極的に用いて、日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るべく取り組んでいます。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)

香川県多度津町庁舎(香川県産材)

某百貨店 什器(大阪府産桧材)

阪急百貨店(大阪府産桧材)

新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材)

京都女子大学(京都府内産桧材)

京都 某ホテル(京都府産材)

金沢サッカー場内装(石川県産材)

鳥取県立美術館(鳥取県産材)

岐阜県庁舎(岐阜県産桧材)

某企業工場(宮城県産杉材)

鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)



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間伐材の利用

森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。

ただし、間伐材をうまく活用しなくては林業の利益を生み出せません。

森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、間伐材を積極的に活用し、SDGs実現に向けた取り組みを行っています。

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“間伐材の利用”がSDGsのカギを握る?現状の問題点やメリット・デメリットについて解説


人工突板の開発・製造

原木 ロータリー

「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。

間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。

植林から製材に適したサイズに成長するまで40〜50年程度かかる銘木とは異なり、短いサイクルで建築材料を生み出せます。

森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。

ポイント
“恩加島木材”は、国内で数少ない人工突板製品の開発・製造を行っている会社です。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。


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自社工場での自然エネルギー活用

2023年10月(予定)より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。


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まとめ|日本が誇る“杉”を内装に生かしましょう

日本の固有種である「杉材」は、世界に誇れる木材です。

上品な木目と加工性の高さが魅力ですが、一方で柔らかいため、キズに弱い点は否めません。

そこでおすすめなのが、「突板化粧板」です。

表面加工によって耐キズ性を高められるだけではなく、無垢材よりリーズナブルで、施工効率性もアップします。

また、安定的に材料を入手できる点は大きな魅力です。

表面は天然木そのものなので、風合いにこだわりたい方もぜひご採用ください。

恩加島木材が、長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただきます。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐に渡るため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。


日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。



恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。