建物の価値を高める“サスティナブル”な建材がトレンド。ポイントやおすすめ商品を紹介

サスティナブル建材とは

様々な産業分野において、SDGs達成に向けた取り組みが行われていますが、建築業界も例外ではなく、設計デザインの際には「サスティナブル」であるかどうかを検討することが当たり前になりつつあります。

しかし、いざサスティナブルな建築物にしようとしても、一体どのような方法を取れば良いか分からないという方も少なくないはずです。

そこで、今回は「サスティナブル建材」の概念やポイント、私たち“恩加島木材”の取り組みを紹介します。

「環境に配慮した建築物にしたい」「社会的存在価値の高まる設計デザインにしたい」という方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●「サスティナブル建材」とは、社会性・経済性・環境性に配慮した材料を指します。
●リサイクル建材だけではなく、木材を建築物へ取り入れることも、サスティナブルな取り組みとなります。
●恩加島木材は、環境に配慮しつつ国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。




サスティナブル建材の条件とは?

サスティナブル建材とは

日々メディアなどで取り上げられている「サスティナブル」という言葉ですが、本来の意味は「維持できる」「持ちこたえられる」という意味です。

そこから派生して、環境的な問題を考える際には「持続可能な」「持続可能性」という意味として使われています。

では、なぜ今「サスティナビリティ」が求められているのでしょうか?

それはずばり、私たちの豊かで快適な生活を未来永劫維持することが危ぶまれてきているからです。

少子高齢化や経済低迷、地球環境問題など、明るい未来をイメージしずらい問題が山積みで、それらを各分野で解決に導くために、「サスティナビリティ」が必要とされています。

サスティナブルを実現させるためには、以下の要素が必要です。

「Social(社会性)」

まず、私たちの生活を取り巻く社会性についての配慮をしなくてはいけません。

具体的には、以下のようなポイントを押さえる必要があります。

  • 安心安全な社会や都市の構築
  • 快適な住環境の整備
  • 文化の継承や発展


人々が“人間らしく自尊心を持って”生活できる環境があってこそ、将来に渡り健やかで文化的な生活を持続できるのです。

「Economic(経済性)」

いくら生活環境が整っていても、経済的な不安があっては生活は維持できません。

そこで重要となるのが、経済の維持向上です。

それを実現させるためにも、建築業界では以下のような取り組みが必要となります。

  • 建築材料の国内自給率向上
  • 過疎化地域の建設プロジェクト立ち上げなど、経済的な格差解消
  • 経済活動を維持するための雇用創出


地域によって経済活動に差があるようでは、持続可能な社会とは言えません。

生活に欠かせないインフラや施設の整備、災害時のライフライン復旧など、建設業界が人々の生活を守る上で担う責任は大きく、経済効果も決して小さくないため、建築での積極的な取り組みが重要視されています。

「Environment(環境性)」

地球温暖化をはじめとした自然環境への配慮は、建築プロジェクトにおいても、もはや必須と言っても過言ではありません。

  • 二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量抑制
  • 消費エネルギーの削減
  • 産業廃棄物の削減
  • 大気汚染や水質汚染への配慮
  • リサイクル・リユース技術の開発や普及
矢印


これらのポイントを総合すると、サスティナブル建材に求められる要素は、以下の4つと考えられます。

  • ライフサイクル(耐用年数)が長く、無駄な資源を使わない
  • 汎用性があり継続的に入手できる原料を用いて、希少・貴重・有限な資源を極力使わない
  • 製造過程で多量なエネルギーを使わず、自然環境への負荷が少ない
  • その材料に触れる人(作る人・施工する人・使う人)にとって健康被害がなく、快適である


ポイント
廃材の再利用や端材の活用など、リサイクル建材の研究開発が進む中、最も実用性が高い方法として注目されているのが、建物の木造化・木質化です。


〈関連コラム〉

“木材利用促進法”は公共施設だけではなく民間施設にも。 概略から木材利用のメリット・補助金まで詳しく解説
カーボンニュートラルに向けて“建築”ができることは?脱炭素化への取り組みについて解説
国が推進してる〈ウッドチェンジ〉とは?取り組みの概要から“建築”ができることについて
今“内装の木質化”が注目されている訳とは? その効果や取り入れるべき建築物について徹底解説



“恩加島木材”はサスティナブル建材づくりに取り組んでいます

サスティナブルな内装建材

私たち“恩加島木材”がみなさまにご提供しているのは、天然木をスライスした突板を用いた化粧板などの内装建材です。

内装制限のある施設にも対応できるよう、不燃材を基材とした商品も取り揃えています。

そのため、施設用途や規模を問わず、様々な建築物へご採用いただける“サスティナブル建材”なのです。

高品質で多彩な天然木突板製品の製造に加え、さらに地球環境に配慮したいくつかの取り組みを行っています。


国産材・地産材の活用

日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内やさらに地域まで限定した高品質の木材を積極的に取り扱っています。

地場で育った樹木を建築の内装材として採用することで、地域経済の発展に貢献できるほか、建物を使用する人にとっても愛着が増し、その場所にあることの意義が高まるはずです。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
金沢サッカー場内装(石川県産材利用)
鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)



〈関連コラム〉

今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
国産材が使われない6つの理由。建築が木材自給率アップのためにできることは?
日本の木材自給率はどれくらい?国の取り組みからウッドショック・世界情勢との関係まで詳しく解説


間伐材の利用

森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。

ただし、間伐材をうまく活用しなくては林業の利益を生み出せません。

近年は、木製ガードレール、木製遮音壁、木製魚礁、木杭等や、バイオマス用燃料、コンクリート型枠などに活用されています。

さらに無駄なく使い切るために、弊社では、杉・桧の小径間伐材からスライスされた突板をバランスよく配置して美しい突板化粧板などを製造。

森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、SDGs実現に向けた取り組みとして実施しています。

〈関連コラム〉

“間伐材の利用”がSDGsのカギを握る?現状の問題点やメリット・デメリットについて解説


人工突板の開発・製造

原木 ロータリー

「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。

間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。

植林から製材に適したサイズに成長するまで40〜50年程度かかる銘木とは異なり、短いサイクルで建築材料を生み出せます。

森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。

ポイント
“恩加島木材”は、国内で数少ない人工突板製品の開発・製造を行っている会社です。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。



〈関連コラム〉

“人工突板”は天然木由来の建材。基礎知識やウッドショックとの関連性について解説


自社工場での自然エネルギー活用

2023年10月(予定)より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。



〈おすすめコラム〉

突板でデザインの幅が広がる。「突板」のメリットから無垢材などとの違いまで解説
恩加島木材の豊富な突板化粧板ラインナップ 厚さと基材の種類を紹介
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介




SDGs実現に向けたエコ建材は“恩加島木材”へご相談ください

SDGs実現につながる“恩加島木材”の突板化粧板製品

サスティナブルな内装材をお探しの方には、“突板化粧板”をおすすめします。

無垢材は施工時の含水率と時間が経過した状態の含水率の変動によって、反りや木割れが起きてしまうリスクは避けられません。

一方、突板化粧板は寸法安定性の高い合板などを基材にするため、施工性も高く湿度変化によって変形する心配が少ないのです。

私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせません。

輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材(地域材)の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。

〈関連コラム〉

突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


KDパネルとは

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

▶︎製品の詳細はこちらから


PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。

樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

▶︎製品の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
恩加島木材の豊富な突板化粧板ラインナップ 厚さと基材の種類を紹介
樹種別の特徴や木目のトレンドは?恩加島木材の人気樹種や選び方のポイントを解説


ルーバー

最近トレンドのルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。

もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。

▶︎製品の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


用途を問わず様々な施設にご採用いただいております

恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。

ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

恩加島木材工業株式会社|納入実績
恩加島木材工業株式会社|施工事例

一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が設計した「和歌山県・有和中学校」新校舎にも、当社突板製品が採用されました。




まとめ|建物のサスティナビリティを高めるためには材料選びも重要

建築の設計デザインにおいて、当然ながら意匠や耐久性などの観点から材料を選ぶことは重要です。

しかし、近年はそれだけでは十分ではなく、さらに環境への配慮についても考えなくてはいけません。

ただし、廃材などを再利用したリサイクル建材は、まだまだコスト面でのハードルが高く、色柄やサイズの選択肢も限定的。

そこでおすすめするのが、「木材利用」です。

特に、内装の木質化は建築物の用途や規模を問わず、採用しやすい点がポイントです。

国産材・地産材や間伐材から作られた建材など、木材の中でも特にサスティナビリティの高い材料を選んでみてください。

デザイン性を高めつつも、その建物の社会的価値を高められます。

“恩加島木材”は長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。




日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。

不燃突板複合板大臣認定取得





恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから