木目を活かす木材の表面仕上げとは?塗装や加工の種類を紹介

表面仕上げとは

ウッドインテリアの材料を検討する際、樹種やコストで選ぶ方が多いでしょう。

しかし、実は表面の塗装や加工によって、同じ木材でも耐久性や風合いが異なります。

そこで、今回は木目を生かす塗装や表面加工について、木材のプロが詳しく解説します。

「美しいウッドインテリアに仕上げたい」「耐久性の高い材質を採用したい」という方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●同じ木材でも、塗装方法などによってその性能や風合いが異なります。
●表面を保護しながらも、まるで無垢材そのもののような風合いを表現できる加工方法があります。
●恩加島木材は、環境に配慮しつつ国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。




木目を“活かす”クリア塗装の種類は?

木目を活かす木材の表面仕上げ

木目を生かした塗装というと、透明感のある塗装を想像するでしょう。

実は、クリア塗装と言っても、中まで塗料を浸透させるタイプと表面に塗膜を形成するタイプがあります。

では、それぞれどのような種類・特徴があるのでしょうか。

詳しく見てみましょう。


浸透(非造膜)タイプ

木材の内部にまで浸透させるタイプで、粘性の低い塗料が用いられます。

表面の触り心地や艶感がナチュラルなのが特徴です。

塗料を希釈液などと合わせる2液性ではないため、DIY用塗料も多く販売されています。

・オイルステイン(オイル塗料)

オイルが主成分の塗料で、染み込ませて着色することもできます。

耐候・防腐・防虫・防カビなどの性能をプラスできるため、屋内外問わず幅広い部位に用いられます。

“木”本来の持つ質感や風合い、調湿機能などをそのまま残せるため、デザイン的な観点以外で選ばれることも少なくありません。

撥水性が高まりますが、汚れやキズの防止にはならない点は要注意です。

また、撥水性などの性能を維持するためには、定期的な再塗装が欠かせません。

そのため、公共施設など、大掛かりな塗装メンテナンスが難しい場所にはあまり適さないでしょう。

・セラミック塗装

木材の繊維奥深くまで塗料が染み渡り、内部で硬化するため、材料としての耐久性も高まります。

また、水分を通さず湿気のみ逃す作用があるため、調湿性はそれほど損ないません。

種類によっては、光沢のあるガラスのような表面に仕上がる点も特徴です。

オイル塗装よりもさらに撥水性が増し、耐久性・防汚性・防カビ性・抗菌性・難燃性も加わるため、カウンターなど過酷な環境に設置する木部に適しています。

ただし、コストが高く対応できるメーカーが限られている点や、メンテナンスが容易ではない点については、十分理解しておかなくてはいけません。


造膜タイプ

粘性のある塗料を木材表面に塗り、それが乾燥して塗膜を形成するタイプの塗料です。

触り心地は“木そのまま”という訳ではありませんが、その代わりに表面をしっかりと保護できます。

・ニス(水性・油性)

ニスは木材の表面から浸透し、透明の塗膜を形成するタイプの塗料です。

肌触りが滑らかになり、艶感が増します。

ただし、耐久性や耐候性など強度を高める効果はあまりなく、どちらかというと見栄えを良くするためのものです。

扱い方が簡単なので、主にDIY用として使われます。


・ポリウレタン塗装(PU塗装)

乾燥硬化によって、表面に硬いウレタン樹脂塗膜ができる塗装です。

艶感があり、滑らかな表面に仕上がります。

耐水性・耐熱性が高まるため、キッチンカウンターやテーブルにおすすめです。

艶の度合いが、調整できるため、光沢を抑えたい場合にも対応できます。

ポイント
私たち“恩加島木材”では、「150%艶消し」・「100%艶消し」・「7分艶消し」・「5分艶消し」など、細かな風合いの調節も承っています。



・アクリル塗装

ウレタン塗装と似たような特徴を持ちますが、耐水性・耐候性は劣るため、主に内装に用いられます。

塗料が扱いやすいため、DIY用が主で、メーカー品としては対応していない場合がほとんどです。

・UV塗装

木材表面に塗布した塗料を紫外線で硬化させ、塗膜を形成する方法です。

短期間で硬化するため、ムラのない美しく分厚い塗膜を形成しやすく、耐久性・耐水性・耐汚性・耐熱性に優れています。

そのため、テーブルの天板やカウンター、フローリング、内装ドアなど、頻繁に人の手に触れやすく傷つきやすい場所におすすめです。

また、最近では「環境配慮型塗料」としても注目されており、秒単位で瞬間硬化するため、数十秒から数分間熱を与えなくてはいけない熱硬化塗料と比べると、工程で発生するCO2の量を大幅に削減できます。

ただし、専用の紫外線照射設備が必要なため、対応できるメーカーは限られており、現場塗装はできません。



・抗ウイルス塗装

コロナ禍以降、多くの方から注目されているのが「抗ウイルス塗装」です。

抗ウイルスとは、表面についた特定ウイルスの数を減少させ不活性化させて感染する力を弱める機能を指し、抗菌(=最近の増殖を抑える)とは少々意味合いが異なります。

手すりやドア、カウンターなど、人の手に触れやすい場所におすすめです。

ポイント
“恩加島木材”では、大掛かりな設備を要するUV塗装や抗ウイルス塗装も、全て自社で行なっており、高耐久・高品質な木質建材をご提供しています。



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ウレタン塗装・UV塗装・ラッカー塗装・オイル塗装… 各種木材塗装の違いは?抗ウイルス塗装についても解説



塗装方法を選ぶポイントは「耐久性」と「質感」

表面仕上げの方法を選ぶポイントは「耐久性」と「質感」

同じ木材・木質系建材であっても、表面の塗装仕上げによってその耐久性や質感は異なります。

また、塗装でプラスされる特性を理解し、ご予算や用途に合わせて方法を選ぶことも重要です。

ここまで紹介しました加工方法別に、性能や質感の特徴をまとめましたので、ぜひ材料選びの参考にしてください。


「オイルステイン」

〈性能〉
撥水性・耐候性・防腐性・防虫性・防カビ性

〈質感〉
触り心地 ◎
風合い ◎

〈コスト〉
比較的安価

〈メンテナンス〉
定期的な再塗装が必要

「セラミック塗装」

〈性能〉
撥水性・耐久性・防汚性・防カビ性・抗菌性・難燃性

〈質感〉
触り心地 ⚪︎
風合い ⚪︎

〈コスト〉
対応可能メーカーが限定されるためコストは高め

〈メンテナンス〉
キズはつきにくいが、ついた場合は部分補修が難しい

「ニス」

〈性能〉
撥水性・耐久性

〈質感〉
触り心地 △
風合い △

〈コスト〉
ホームセンターなどで塗料が多く販売されており、取り扱いも簡単なので、主にDIY用

〈メンテナンス〉
キズ・汚れがついておらず、日焼けなどをしていなければ、特に必要なし

「ポリウレタン塗装」

〈性能〉
耐水性・耐熱性

〈質感〉
触り心地 ⚪︎
風合い ⚪︎

〈コスト〉
多くのメーカーで対応できる一般的な方法なので、価格は安め

〈メンテナンス〉
定期的な再塗装は必要なく、キズがついた場合の部分補修も可能

「アクリル塗装」

〈性能〉
耐水性

〈質感〉
触り心地 △
風合い △

〈コスト〉
主にDIY用

〈メンテナンス〉
定期的な再塗装は必要なく、キズがついた場合の部分補修も可能

「UV塗装」

〈性能〉
耐久性・耐水性・耐汚性・耐熱性・低汚染型塗料

〈質感〉
触り心地 ⚪︎
風合い ⚪︎

〈コスト〉
対応可能なメーカーが限られているため、価格は高め

〈メンテナンス〉
キズや汚れがつきにくく耐久性は高いため、特にメンテナンスは必要なし

「抗ウイルス塗装」

〈性能〉
抗ウイルス性

〈質感〉
触り心地 ⚪︎
風合い ⚪︎

〈コスト〉
対応可能なメーカーが限られているため、価格は高め

〈メンテナンス〉
特にメンテナンスは必要ないが、耐キズ・耐汚性はあまりないため、適宜塗装補修が必要


ポイント
“恩加島木材”では、塗装工程の全てを自社スタッフが自社工場にて行なっており、充実した設備で幅広いご要望に対応。
クリア塗装はもちろんのこと、指定色での着色塗装も承っておりますので、設計士様・施主様のイメージに近い商品をご提供できます。




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さらに木目を際立たせる加工とは?

天然木の持つ美しい木目を際立たせる方法は、クリア塗装だけではありません。

また、木目を生かしつつも、そこに個性をプラスして印象強いデザインに仕上げることもできます。

では、私たち“恩加島木材”が自信を持ってご提供します人気の加工方法をご紹介します。

うづくり加工

うづくり加工

板材の表面を研磨し、年輪の模様を浮き立たせる方法です。

一般的な板材のように平滑ではなく自然な凹凸が生まれるため、光が乱反射してよりナチュラルな風合いに仕上がります。

また、細かいキズや汚れが目立ちにくくなる点もポイントです。


ワイピング塗装加工

木の導管に着色塗料を刷り込み、乾く前に余分な塗料を拭き取る方法です。

乾燥後に表面のみを研磨することで、導管部分のみ色づき、木目がはっきり現れます。

ポリウレタン塗装・UV塗装・抗ウイルス塗装など、様々な方法と組み合わせることができるため、意匠的に木目を目立たせたい場合におすすめです。


その他個性的な特殊加工

私たち“恩加島木材”では、突板化粧板の表面を多彩なテクスチャーに加工するオプションをご用意しています。

木材ならではの自然な質感を残しつつ、個性的な風合いを表現できます。

全ての樹種に対応可能ですので、もう一段階「高級感」や「オリジナリティ」をプラスしたいという方は、ぜひご検討ください。

・ウェーブ加工

ウェーブ加工

・テキスタイル加工

テキスタイル加工

・オビノコ加工

おびのこ加工

・なぐり加工

なぐり加工



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創業70年の技術と経験が創る“恩加島木材”の突板化粧板製品

“恩加島木材”の突板化粧板製品

内装仕上げに木材を使う場合は、“突板化粧板”をおすすめします。

無垢材は施工時の含水率と時間が経過した状態の含水率の変動によって、反りや木割れが起きてしまうリスクは避けられません。

一方、突板化粧板は寸法安定性の高い合板などを基材にするため、施工性も高く湿度変化によって変形する心配が少ないのです。

私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせないと言っても過言ではありません。

輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材(地域材)の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。

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KDパネルとは

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

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PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。

樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

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リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。

リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。

リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。

▶︎製品の詳細はこちらから


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用途を問わず様々な施設にご採用いただいております

恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。

ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

恩加島木材工業株式会社|納入実績
恩加島木材工業株式会社|施工事例

一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が設計した「和歌山県・有和中学校」新校舎にも、当社突板製品が採用されました。




恩加島木材の取り組みや今後の目標

恩加島木材の取り組みや今後の目標

私たち“恩加島木材”は、地球環境や森林維持のために様々な取り組みを行っており、国産材の積極的な利用はもちろん、製造工程の自然エネルギー活用など、トータルCO2排出量の削減に努めています。

再生エネルギーの導入

自社工場への太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入いたします。
(2023年10月、稼働開始)

持続可能な製品の開発製造

植林木を利用した人工突板の開発を進めています。

地産材の積極的利用

日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内ならず地域を限定した樹種を積極的に取り扱っています。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)


「建築デザインに環境への配慮を反映させたい」「長く愛され続ける建物にしたい」そのようにお考えの方は、ぜひ私たち”恩加島木材工業”の突板製品をご採用ください。


〈関連ページ〉

恩加島木材工業株式会社|製品案内|原産地(日本)

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今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
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まとめ|用途やデザインによって表面仕上げを選びましょう

同じ木材でも、表面の塗装方法や加工によって、その性能や風合い、触り心地は異なります。

そのため、「どのような施設のどこに使うのか」によって、表面仕上げの方法を選ぶことが重要です。

デザイン性を重視するのであれば、表面テクスチャーが一風変わった雰囲気になる加工もおすすめ。

突板化粧板について少しでも疑問や不安がある方は、まず私たちへご相談ください。

“恩加島木材”は長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。




日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。

不燃突板複合板大臣認定取得





恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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