家具は材料にこだわりましょう。それぞれの特徴やおすすめ樹種を一覧で解説
公共施設や住宅などで多く採用されている造作家具ですが、材料次第で雰囲気は大きく変わります。
設計やデザインをする際にも、材料の特性を知らないと後で不具合が起こる可能性もあるのです。
そこで、今回は「家具の材料」について種類やそれぞれの特徴、ウッドインテリアにおすすめの樹種を紹介します。
「木目を生かした家具に仕上げたい」とお考えの方は、是非参考にしてください。
●材料によって特性が異なりますので、ご予算や工期、表現したいデザインに合わせて、適切なものを選んでください。。
●恩加島木材は、環境に配慮しつつ国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。
Contents
木製家具の材料は“木”だけではない！家具の仕上げに使われる材料は？
家具の材料として最も多く用いられるのが「木」。
しかし、木製家具や木目調の家具に使われる材料には、いくつかの種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、予算や用途などに応じて、使い分けなくてはいけません。
無垢材
無垢材とは、天然木を施工に適した形状に切り出した材料で、質感などはまさに“木そのもの”。
天然木特有の温もりある触り心地や木の香り、二つとして同じものはない木目が魅力です。
主に高級家具に使われますが、湿度によって建て付けが悪くなったり、木割れなどを起こすリスクは否めません。
また、重量は重く、繊維方向（木目）に沿って割れやすいため、細かい加工をするには高い技術が必要です。
そのため、量産型の家具というよりも一点ものの家具に使うことをおすすめします。
集成材
集成材とは、複数の板材を重ね合わせて圧着し、スライスした材料です。
構造材として使われる「構造用集成材」と、家具や内装に使われる「造作用集成材」があります。
集成材は、一定の寸法に加工されたひき板（ラミナ）を複数、繊維方向が平行になるよう集成接着した木材製品である。集成材は、狂い、反り、割れ等が起こりにくく強度も安定していることから、プレカット材の普及を背景に住宅の柱、梁（はり）及び土台にも利用が広がっている。また、集成接着することで製材品では製造が困難な大断面・長尺材や湾曲した形状の用材も生産できる。近年は耐火集成材等の木質耐火部材も開発されている。
（引用：林野庁）
（引用：日本集成材工業協同組合）
製材時に節など見た目や強度に問題がある箇所を取り除いた部材を集めて作るため、無垢材よりも希少性は低く材料コストが抑えられる点が特徴です。
その上、原材料は天然木そのものなので、風合いや触り心地が無垢材と比べても遜色ありません。
少々曲がったり歪んだりしている板材も集成材にすれば建築材料として活用できるため、エコの観点からも注目されています。
ただし、無垢材と同様に材料としてはかなり重いため、施工効率面では有利とは言えないでしょう。
突板化粧板・挽板化粧板
突板化粧板とは、天然木を0.2〜0.3mmに薄くスライスしたものを基材となる合板に接着した材料です。
挽板化粧板も仕組みは突板化粧板と同様ですが、表面材が薄いシートではなく2～3mmに切り出した板材を使います。
どちらも表面が天然木なので、ナチュラルな木目を表現できます。
また、一本の木から大量の材料を生み出せるため、ホテルなどの大規模施設に使う場合も、樹種や木目を揃えられる点もポイントです。
無垢材や集成材よりも軽く、温度や湿度の変化によって変形しにくいため、高い施工性と寸法安定性が高い点もメリット。
天然木の占める割合が少ないほど一般的にはコストが安くなるため、樹種にもよりますが低コストで天然木を生かしたデザインが実現できます。
ただし、どうしても無垢材と比べると触った時の感覚は、少し硬めです。
シート材などの木目プリント材
メラミン化粧板やオレフィン化粧板、ポリエステル化粧板、その他プリント化粧板やシート材は、木目を印刷で“再現”しており、天然木は使われていません。
均一でムラのない模様は表現できますが、触り心地は全く異なります。
しかし、その分耐水性や耐キズ性、耐熱性に特化しているものが多いため、システムキッチンなどに多く用いられています。
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ずばりどの材料を選べばいい？特徴一覧と材料選びのフロー
「無垢板 → 集成材 → 挽板化粧板 → 突板化粧板」の順で天然木の割合が多く、木目プリント材には天然木材は一切使われていません。
それぞれ一長一短あり、強みが異なりますので、特性を理解して、設置場所や用途、ご予算に合わせた材料選びが重要です。
それぞれの特徴を分かりやすくまとめると、以下のようになります。
樹種やメーカーによって上記条件が当てはまらない場合もありますが、基本的にはこのような特性を持ちます。
これを踏まえて、材料選びのフローを紹介します。
ぜひ、家具のプランを検討する際の参考にしてください。
「施工効率性をとことん求める」
▶︎ 【木目プリント材】
▶︎ 効率性も大事だか“木の質感や風合い”も求める ▶︎ 【挽板化粧板・突板化粧板】
「予算が限られている」
▶︎ ポリエステル化粧板などの低コストな【木目プリント材】
▶︎ コストを抑えたいが“木の質感や風合い”も求める ▶︎ 【挽板化粧板・突板化粧板】
「同じ風合いの材料が大量に必要」
▶︎ プリントで同じ木目を表現した【木目プリント材】
▶︎ 天然木にこだわる ▶︎ 【挽板化粧板・突板化粧板】
「長く使い続けられる家具にしたい」
▶︎ 天然木にこだわるなら、しっかり含水率がコントロールされて比較的品質が安定している【無垢材】
▶︎ 風合いとコストにこだわるなら、お手入れができて経年による変形リスクが少ない【挽板化粧板・突板化粧板】
▶︎ 頻繁に水がかかるような場所などには、耐水・耐汚コーティングされたメラミン化粧板などの【木目プリント材】
「とにかく“木”の風合いにこだわる」
▶︎ 100%天然木の【無垢材】
▶︎ 寸法安定性などその他の性能も求めるなら【挽板化粧板・突板化粧板】
私たち“恩加島木材”は、1947年創業以来、高品質な天然木突板練付化粧板の製造を行なっています。
家具の材料を選ぶ際には、インテリアデザインとの“調和”も重要です。
例えば、無垢フローリングや本革のソファと木目プリント材では、質感の違いがどうしても気になるでしょう。
ご予算や工期だけではなく、周りとうまく溶け込むかどうかもじっくり検討してみてください。
家具に人気の樹種5選
私たち“恩加島木材”では、常時40樹種・1000束以上の突板を在庫しており、それらを組み合わせて美しく高品質な突板化粧板を製造しています。
その中から、家具の材料としておすすめの人気樹種を紹介します。
ウォールナット
クルミ科クルミ属のウォールナットは、柔らかな木目が人気です。
主に北米産のブラックウォールナットが主流で、日本では 「ウォールナット＝ブラックウォールナット」として認識されています。
少し紫がかったダークブラウンが特徴で、真っ直ぐ成長するため、木目も均一で直線的です。
タンニンが多く含まれているため、段々と紫外線によって酸化して、経年と共に落ち着いた色に変化していくのも人気のポイント。
時の流れと共に味わい深い雰囲気に変化していきます。
チーク
チーク材は、東南アジアを中心に生息するクマツヅラ科の広葉樹です。
癖のない木目が特徴で、濃淡がはっきりと分かれていながらも落ち着きある雰囲気に仕上がるため、どのインテリアデザインにも合わせやすい点が人気のポイント。
施設用途を問わず、さまざまな場所に取り入れられています。
紫外線のあまり当たらない場所では濃い飴色に変化し、直射日光の当たる場所では銀白色に変わっていくため、場所ごとで違う表情を見せてくれます。
タモ
国産材にこだわるなら、タモがおすすめです。
モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、日本に多く生息しています。
硬くて加工しやすく、さらに弾力性や靭性もあるため、家具の材料としても多く使われています。
木目がはっきりと見えるため、デザインのアクセントとして使いたい場合におすすめです。
最初のうちは白茶色ですが、経年変化によって褐色化していきます。
パイン（イエローパイン）
パインは、日本語に訳すと「松」。
世界中に生息していますが、内装仕上げ材として多く使われているのが、北米産のイエローパインです。
節が多く目立つため、ナチュラルな雰囲気に仕上げたい場合におすすめします。
最初のうちは黄白色ですが、年数が経ち紫外線に当たると、褐色に変化してきます。
洋風建築・和風建築のどちらにも合う点も魅力です。
オーク（ホワイトオーク）
オークとは、ブナ科コナラ属の樹木で、ヨーロッパではかなり古くから家具の材料として親しまれてきました。
日本でも、住宅を中心に床材として親しまれており、「天然木＝オーク材」というイメージを持つ人も少なくありません。
たくさんある品種の中でも、ヨーロピアンオークやカナディアンオークなどのホワイトオークが人気です。
自然な木目や色合いもさることながら、経年変化による深みある変色も美しく、塗装との相性も良いため、お好みの色を表現したい場合にもおすすめです。
汎用性が高く、他の木目との相性が良いため、インテリアデザインにおいても重宝されています。
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創業70年の技術と経験が創る“恩加島木材”の突板化粧板製品
内装仕上げに木材を使う場合は、“突板化粧板”をおすすめします。
無垢材は、施工時の含水率と時間が経過した状態の含水率の変動によって、反りや木割れが起きてしまうリスクを避けられません。
一方、突板化粧板は寸法安定性の高い合板などを基材にするため、施工性も高く湿度変化によって変形する心配が少ないのです。
実は、突板の原料は水分を多く含む生材（なまざい）。
柔らかい生材を薄くスライスしてから含水率10〜15%にまで乾燥させて基材と張り合わせることで、美しい木目を表現できます。
私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。
突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。
0.2mmという極薄にスライスされた突板は気温や湿度により、生き物のように大きく変化します。
その小さな変化を感じながら、熟練した職人が手作業でそれを貼り合わせていくのです。
貼り合わせた突板はその日の環境に合わせて、樹種ごとにプレス時間、温度、圧力を細かく調整し、高圧ホットプレス機で圧着し、化粧板などの製品となり、お客様の元へと届きます。
木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。
内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせないと言っても過言ではありません。
輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材（地域材）の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。
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KDパネルとは
KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。
天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。
恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。
PANESSE(パネッセ)
天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。
樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。
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リブパネル・ルーバー
最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。
リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。
ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。
基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品（※ルーバーのみ）まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。
リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。
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用途を問わず様々な施設にご採用いただいております
恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。
ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社｜納入実績
恩加島木材工業株式会社｜施工事例
恩加島木材の取り組みや今後の目標
私たち“恩加島木材”は、地球環境や森林維持のために様々な取り組みを行っており、国産材の積極的な利用はもちろん、製造工程の自然エネルギー活用など、トータルCO2排出量の削減に努めています。
再生エネルギーの導入
自社工場への太141kw陽光発電システムおよび蓄電池を導入いたします。
（2023年6月、稼働決定）
持続可能な製品の開発製造
植林木を利用した人工突板の開発を進めています。
地産材の積極的利用
日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内ならず地域を限定した樹種を積極的に取り扱っています。
香川県多度津町庁舎（香川県産材利用）
某百貨店 什器（大阪府内産桧利用）
新居浜商業高校 体育館（愛媛県産材利用）
京都女子大学（京都府内産桧利用）
京都 某ホテル（京都府内産利用）
「建築デザインに環境への配慮を反映させたい」「長く愛され続ける建物にしたい」そのようにお考えの方は、ぜひ私たち”恩加島木材工業”の突板製品をご採用ください。
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“人工突板”は天然木由来の建材。基礎知識やウッドショックとの関連性について解説
まとめ｜材料の特性を知って家具のプランニングを
木製家具の材料と言っても、その種類はいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。
そのため、ご予算や工期、表現したい風合いなどによって、適切なものを選ぶことが重要です。
無垢材のいいところを生かして、施工性や寸法安定性を高め、コストを抑えたのが「突板化粧板」。
“恩加島木材”は長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。
製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。
「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。
〈日本初〉大臣認定取得｜恩加島木材の“不燃突板複合板”
建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。
天然木突板（厚さ0.2mm）に不燃材料である無機質不燃板（厚さ6・9mm）を貼り合わせた材料です。
しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。
- 重い
- 割れやすい
- 高コスト
- ビスが効かない
それらの問題を解決したのが、「恩加島木材の不燃突板複合板」です。
天然木突板（厚さ0.2mm）＋ 無機質不燃板「ダイライトFAL」（厚さ6mm）＋ 特殊合板（厚さ9mm）で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。
日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか？
恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。
随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
