トレンドの“木目天井”。板材・クロス・シートの特徴やメリット・デメリットについて

木目天井

最近、建築デザインでトレンドなのが、“木目天井”です。

住宅、商業施設など建物用途を問わず、様々な場所で取り入れられています。

しかし、木目天井と言っても、それを表現できる材料は様々です。

そこで、今回は「木目天井」の魅力についてや、材料別の特徴、おすすめ商品を紹介します。

「温もりのあるインテリアデザインを実現させたい」「本物の“木”にこだわった材料を使いたい」そのようにお考えの方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●木目天井は、シンプルな空間にも高級感とオリジナリティをプラスできます。
●木目天井に使われる材料は、それぞれメリット・デメリットが異なるため、イメージやご予算に合うものを選ぶことが重要です。
●恩加島木材は、環境に配慮しつつ国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。




“木目天井”がインテリアデザインのトレンドに

天井に木目を取り入れるインテリアデザインの人気が高まっています。

日本では和室建築に多く取り入れられてきた歴史もあるため、どこか“和風”な印象を持つ方が多いかもしれません。

しかし、昨今は主に洋風建築に取り入れられており、住宅はもちろんホテルや商業施設、学校、病院など様々な用途の空間に用いられています。

天井をウッド調にすることで、木目の美しさが空間に高級感をプラスしてくれますし、シックながらもナチュラルで温もりあるおしゃれな空間にまとまる点が人気のポイント。

木目の風合いや色味によって、色々なインテリアデザインとも合わせやすく、フローリングと合わせて統一感ある雰囲気にすることも可能です。

特に、シンプルな壁と合わせるデザインの人気が高く、装飾的な要素がなくても、こだわりの感じられるスタイリッシュな空間に仕上がります。

板張りのアクセントウォールと合わせて、建築デザインのトレンドと言っても過言ではありません。

〈関連コラム〉

新築やリノベーションで“板張り”の内装が流行中。 天井・壁に取り入れるメリットやおすすめ商品を紹介





木目天井に使われる材料とそれぞれの違いは?

木目天井を実現できる材料はいくつもあり、それぞれ特徴が異なります。

そこで、ここでは主な材料5つを紹介します。

メリット・デメリットがありますので、ぜひ材料選びの参考にしてください。

木目調クロス

木目調クロス天井
(引用:サンゲツ

日本では主に住宅へ多く施工されているビニールクロス(壁紙)にも、木目をプリントしたものがいくつもあります。

メリットはなんと言ってもその“施工性とコストの安さ”。

張り替えも簡単なので、汚れが気になったり飽きてしまったりしても、手軽にリノベーションできます。

ただし、あくまでもプリントで木目を再現しているため、エンボス加工が施してあってもよく見ると人工的な印象は拭えません。

また、規格幅(主に93cm)ごとに同じ木目が繰り返される点も知っておきましょう。

本物の木を薄くスライスした木質クロスですと、質感や光の反射加減は無垢板材などと比べて遜色ありませんが、水拭きできない・つなぎ目が目立ちやすいなどの注意点もあります。

施工も非常に難しく、慣れていない方が施工すると、剥がれや浮きの原因になります。




木目調シート材・フィルム材

オレフィンシート
(引用:AICA

表面材がエチレン・プロピレンなどの合成樹脂から作られているオレフィンシートをはじめとした粘着剤付化粧フィルムを天井に施工する場合もあります。

様々な場所に施工されるダイノック™ フィルムもその一種です。

先ほど紹介したビニールクロスよりも厚みがあり、木目の凹凸もはっきり表現できるため、より“本物”に近いと言えるでしょう。

また、テーブルの天板やカウンターなどにも施工されるほど、耐水性・耐久性が高い点も特徴です。

ただし、ビニールクロスと比べると価格が高く、張り替えも容易ではありません。

また、その特質上、どうしても人工的な光沢感が出てしまうため、本物の木のような質感にしたい方はサンプルを見てじっくり検討してください。



木目調化粧板

メラミン化粧板
(引用:AICA

メラミン化粧板などのプラスチック系原料を用いた板材にも、木目調は多く存在します。

最近はエンボス加工の技術も進化し、遠目では本物の木に見えるものも少なくありません。

シート状の材料よりも施工する上で扱いやすく、材料コストも天然木材より安価な点がメリットです。

また、水拭きもできるため、ホコリ汚れなども簡単に落とせます。

硬度があり、キズもつきづらく、熱に強い点もポイントです。

木材よりも軽量なので、複雑な形状の天井に施工するのにも適しています。

ただし、こちらもやはりプリントされた木目なので、どうしても規則的に柄が並んでしまいますし、光沢感も木材とは異なる点は注意しましょう。



無垢天井材(パネリング・羽目板)

パネリング・羽目板
(引用:マルホン

無垢材に実(さね)加工してある材料です。

ウッドフローリングと同じような構造で、長手方向に施された凸凹の溝を、連結して張り進めます。

施工しやすいように軽量化するために、長尺でもフローリング材よりも薄くなっている点が特徴です。

コストは高めですが、無垢材の持つ調湿作用や吸音機能が高く、何よりも“木そのもの”であるため、意匠的にもナチュラルです。

ただし、天然木ゆえの注意点もあります。

それは、温度や湿度の急激な変化に伴う変形です。

施工して時間が経ってから、反りや隙間が広がる現象、木割れが起こる可能性があります。


突板化粧板

人工的な原料から作られた材料は強度や施工性が高いものの、どうしても本物の質感と同じという訳にはいきません。

一方、天然木は変形やコストの高さがネックとなって採用できない場合もあるでしょう。

その両方の懸念点を解消できるのが「突板化粧板」です。

「突板」とは、天然木を薄くスライスした素材を指し、それを合板などの基材に貼り付けたものを突板化粧板と呼びます。

そのため、表面材そのものは天然木でありながらも、寸法安定性が高く変形のリスクが低い上に、無垢材と比べると低コストで、軽量なため施工効率も高いのです。

触り心地は無垢材と比べると少々劣るものの、普段手に触れない天井材なら、そのデメリットもあまり気にならないでしょう。

ポイント
私たち“恩加島木材”は、国内外産地を問わず高品質な突板を仕入れ、お客様の様々なニーズに対応できる突板製品を製造しております。

〈関連コラム〉

突板でデザインの幅が広がる。「突板」のメリットから無垢材などとの違いまで解説




デザインのアクセントになる“リブ天井”も人気

リブパネル

木目天井の中でも、最近特に注目されているのが、“リブ天井”です。

「リブ」とは、本来“肋骨(ろっこつ)”という意味がありますが、そこから派生して建築業界では平板部を補強するために取り付ける細長い棒状の部材を意味します。

等間隔にリブが取り付けられているパネル材を「リブパネル」と呼び、壁・天井などに多く使われているため、一度は目にしたことがあるかもしれません。

単調な印象になりがちな平天井に取り入れれば、アクセントとして目を引くデザインに仕上がります。

また、照明光や太陽光が当たると、溝部分が影となって立体感が際立ち、また違った印象に変化する点も魅力です。

シンプルながらもオリジナリティある空間にしたい方は、ぜひ“リブ天井”をご検討ください。

▶︎製品の詳細・規格図のダウンロードはこちらから

〈関連コラムへ〉

恩加島木材|天然木練付リブパネル






恩加島木材は木目天井におすすめの高品質な突板製品を取り扱っています

私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。

常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に突板を選定しています。

0.2mmという極薄にスライスされた突板は気温や湿度により、生き物のように大きく変化します。

その小さな変化を感じながら、熟練した職人が手作業でそれを貼り合わせていくのです。

貼り合わせた突板はその日の環境に合わせて、樹種ごとにプレス時間、温度、圧力を細かく調整し、高圧ホットプレス機で圧着し、化粧板などの製品となり、お客様の元へと届きます。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせないと言っても過言ではありません。

輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材(地域材)の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。


KDパネルとは

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

▶︎製品の詳細はこちらから


PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。

樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

▶︎製品の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
恩加島木材の豊富な突板化粧板ラインナップ 厚さと基材の種類を紹介

樹種別の特徴や木目のトレンドは?恩加島木材の人気樹種や選び方のポイントを解説


リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。

リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。

リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。

▶︎製品の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
天然木の風合いを生かした“ルーバー”と“リブパネル” 特徴や不燃対応について徹底解説

突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


用途を問わず様々な施設にご採用いただいております

恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。

ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

恩加島木材工業株式会社|納入実績

恩加島木材工業株式会社|施工事例

一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が設計した「和歌山県・有和中学校」新校舎にも、当社突板製品が採用されました。




恩加島木材の取り組みや今後の目標

私たち“恩加島木材”は、地球環境や森林維持のために様々な取り組みを行っております。

再生エネルギーの導入

自社工場への太141kw陽光発電システムおよび蓄電池を導入いたします。
(2023年6月、稼働決定)

持続可能な製品の開発製造

植林木を利用した突板の開発を進めています。

地産材の積極的利用

日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内ならず地域を限定した樹種を積極的に取り扱っています。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)


〈関連ページ〉

恩加島木材工業株式会社|製品案内|原産地(日本)

〈関連コラム〉

今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説



まとめ|住宅も施設も本物にこだわった木目天井がトレンド

木目天井の手法は昔から使われてきたため、決して目新しいデザインではありません。

しかし、そのナチュラルな雰囲気はシンプルモダンなデザインがトレンドである昨今でも、高い注目を受けています。

そのため、様々な材料の選択肢があり、どれにすれば良いか悩んでしまう方もいるでしょう。

そこで“恩加島木材”がおすすめするのが、「突板製品」。

人工的な材料の持つ施工性と、無垢材の持つ“木本来”の質感の両方を兼ね備えている点が強みです。

“恩加島木材”は長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。




日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。

不燃突板複合板大臣認定取得





恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから