針葉樹と広葉樹の違いは?木目・硬さについてや樹種一覧を紹介
日本は、その国土の2/3(約67%)を森林が占める世界でも有数の“森林大国”です。
しかし、一般の方の中には森や木材をあまり身近に感じていない方も多いでしょう。
そこで、今回は針葉樹・広葉樹の違いについて、いくつかの視点で解説します。
「温もりのあるインテリアデザインを実現させたい」「本物の“木”にこだわった材料を使いたい」そのようにお考えの方は、是非参考にしてください。
●国内外の主な樹種を知ることで、イメージに合う材料が見つけられます。
●恩加島木材は、国内外産地を問わず、高品質な突板を仕入れ、化粧板などの製品をご提供しています。
Contents
針葉樹と広葉樹とは?
世界中で生息している木々は、大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。
この2種類は、同じ木ではあるものの、その特性は大きく異なり、建築資材として流通される際も、使い分けがされています。
〈針葉樹〉
その名の通り、針のように細く尖った形をしている葉を持つ樹木で、イチョウなど一部例外があるものの、葉の形状を見れば針葉樹かどうかが見分けられます。
ヒノキやスギ、マツなどがその代表格で、幹が真っ直ぐ上に伸びるという点が特徴です。
構造を見てみると、多くは仮道管(水を根から樹幹を通して葉へ送る管)をもち、それらが整然と並んでいるため、比較的きめの細かい木肌の樹種が多いです。
〈広葉樹〉
広くて平らな葉の形をした樹種が多く、ナラ、ウォールナット、サクラなどをイメージすると間違いありません。
針葉樹とは異なり、幹は太くて曲がりながら枝分かれして育ちます。
仮道管の多い針葉樹とは異なり、道管が太くランダムに並んでいるものも多いため、木肌が比較的粗い点も特徴です。
このように、針葉樹と広葉樹は生息している際の見た目に大きな違いがあるだけではなく、資材として活用する際にもその用途などが異なります。
そのため、建築材料を選定する場合は、それぞれの特徴を理解しておくと良いでしょう。
針葉樹と広葉樹で硬さ・木目・用途・価格に違いはある?
では、針葉樹と広葉樹では、建築材料として使う場合、どのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、「硬さ・重さ」、「木目」、「用途」、「価格」4つの視点で詳しく見ていきましょう。
硬さ・重さの違い
一般的には、針葉樹を“ソフトウッド”、広葉樹を“ハードウッド”と呼びます。
つまり、針葉樹・広葉樹には硬さの違いがあるということです。
樹木を構成する細胞と空気の隙間の割合を空隙率(クウゲキリツ)と呼ぶのですが、大半の針葉樹は空隙率が高い(=軽い)のに対して、広葉樹は空隙率が低い(=重い)樹種が多いというのが通説です。
木材においては、「軽い=柔らかい」「重い=硬い」と言えるため、耐キズ性を求めれば材料が重くなり、施工効率性などを重視すると軽い材料を選ぶこととなり、どうしても傷が付きやすくなってしまいます。
そのため、材料を選ぶ際にはその樹種についても知っておかなくてはいけません。
ただし、多様な細胞構造を持つ広葉樹においては、このセオリーが当てはまらないものもあり、バルサなどは広葉樹にも関わらず、軽くて柔らかいです。
木目の違い
針葉樹と広葉樹の細胞構成の差は、木目の違いにも現れます。
針葉樹は仮道管が整列して並んでいるため、木目も真っ直ぐではっきりしているのに対して、広葉樹は道管の並びがランダムなものが多いため、木目も複雑で曲がっていたり、はっきりと見えなかったりします。
木目の風合いから樹種を選びたい方は、ぜひご活用ください。
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用途の違い
一般的には針葉樹は柔らかく加工が容易とされているため、主な用途は建物の構造材や仕上げ材です。
国産の針葉樹は比較的細く、一本の木から一本の柱へ加工する“芯持ち材”としても加工され、輸入される針葉樹は直径が大きいため、“芯去り材”として使われます。
一方、広葉樹は樹種によって異なる豊かな木目や密度が高く硬い点が特徴なので、細かい加工が必要な装飾性の高い内装材や家具に使われるケースが多いです。
価格の違い
木材の価格は、樹種や産地に大きく影響されるため、一概に針葉樹・広葉樹で比較することは難しいですが、一般的には密度が高く硬い広葉樹の方が価格は高いとされています。
特に、世界中で希少価値の高いウォールナットや、人気のあるチェリー、チーク、オークは、スギなどの針葉樹よりも高値で取引されることが多いです。
ただし、秋田杉などのブランド化された針葉樹は、広葉樹とは比較できないほど高い値段で流通されています。
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大体の価格帯が知りたい、比較したいという方は、ぜひご活用ください。
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建築で主に使われる針葉樹・広葉樹一覧
世界には6万種類以上もの樹木が存在していますが、その中でも建築材料として使われているのはごく一部です。
ここでは、主に用いられている樹種を一覧で紹介します。
木目だけを見ても、それぞれ風合いや色味が異なりますので、ぜひイメージに合う樹種を見つけてください。
〈針葉樹(国産材)〉 | 〈針葉樹(輸入材)〉 | 〈広葉樹(国産材)〉 | 〈広葉樹(輸入材)〉 |
カラマツ イチイ イチョウ カヤ コウヤマキ サワラ スギ ツガ ヒノキ ヒバ モミ | アガチス アカマツ カリビアマツ イエローパイン スプルース ベイスギ ベイツガ ベイヒ ベイヒバ ベイマツ ベイモミ レッドウッド | カツラ キハダ キリ クスノキ クルミ ケヤキ サクラ シラカバ シナ ツゲ シルバーハート トチノキ ニセアカシア セン タモ ニレ ブナ ミズキ ナラ マガシロ | ウェンジ マホガニー イエローバーチ カリン コクタン ゴム サペリ バーチ メープル チーク ハードメイプル ブナ シカモア ブラックウォールナット チェリー ホワイトアッシュ ホワイトオーク レッドオーク ローズ クリ ゼブラ ニヤトウ マコーレ モアビ レオ |
恩加島木材は高品質な突板製品を取り扱っています
私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。
常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に突板を選定しています。
0.2mmという極薄にスライスされた突板は気温や湿度により、生き物のように大きく変化します。
その小さな変化を感じながら、熟練した職人が手作業でそれを貼り合わせていくのです。
貼り合わせた突板はその日の環境に合わせて、樹種ごとにプレス時間、温度、圧力を細かく調整し、高圧ホットプレス機で圧着し、化粧板などの製品となり、お客様の元へと届きます。
木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。
内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせないと言っても過言ではありません。
輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材(地域材)の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。
KDパネルとは
KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。
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恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。
PANESSE(パネッセ)
天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。
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リブパネル・ルーバー
最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。
リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。
ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。
基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。
リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。
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突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
用途を問わず様々な施設にご採用いただいております
恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。
ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。
恩加島木材の取り組みや今後の目標
私たち“恩加島木材”は、地球環境や森林維持のために様々な取り組みを行っております。
再生エネルギーの導入
自社工場への141kw太陽光発電システムおよび蓄電池を導入いたします。
(2023年6月稼働決定)
持続可能な製品の開発製造
植林木を利用した突板の開発を進めています。
地産材の積極的利用
日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内ならず地域を限定した樹種を積極的に取り扱っています。
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
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まとめ|針葉樹・広葉樹を使い分けることがポイント
一口に“木”と言っても、針葉樹・広葉樹によって性質や見た目が異なります。
どちらが良い悪いというのではなく、用途に合わせて適切な樹種を選ぶことが重要です。
そのためには、それぞれどのような樹種がありどのような特徴であるかを知っておくことも大切でしょう。
しかし、数多ある木から理想の樹種を選ぶことは決して簡単ではありません。
私たち“恩加島木材”は、長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。
製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。
「イメージに合う樹種を選びたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。
〈日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”
建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。
天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。
しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。
- 重い
- 割れやすい
- 高コスト
- ビスが効かない
それらの問題を解決したのが、「恩加島木材の不燃突板複合板」です。
天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。
日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?
恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。
随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。