内装材で使われる樹種の三大巨頭「オーク」「ウォールナット」「メープル」|産地や特徴を徹底解説
今やさまざまなメーカーが多種多様な樹種の内装材を製造販売していますが、その中でも根強い人気なのが「オーク」「ウォールナット」「メイブル」。ただし、人気と言ってもその特徴や色合いは千差万別です。
そこで、今回は「オーク」「ウォールナット」「メープル」について、樹種の特徴を紹介します。意外と知っているようで知らない特性もありますので、ぜひ設計やデザインの参考にしてください。
●ウッドショックの影響で、今後は更なる価格高騰や納期遅延が予測されるため、他の樹種についても検討することをおすすめします。
●恩加島木材では、国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。
Contents
住宅でも公共施設でも多く使われる3つの樹木
日本では住宅において木質フローリングがごく一般的に取り入れられていますが、近年はさらに壁や天井を板張りにするデザインも人気が高く、インテリアデザインのアクセントとしてルーバーなどを取り入れるケースも増えています。
それだけではなく、現在国や自治体が積極的に推進している建物の“木質化”の観点からも、大規模な公共施設においても内装に“木”が多様されています。
では、実際にはどのような樹種が多く採用されているのでしょうか。
各メーカー、数多くの樹種を取り扱っていますが、特に人気なのが下の3つです。
- オーク
- ウォールナット
- メープル
以前は世界三代銘木とも呼ばれていた「ブラックウォールナット」・「チーク」・「マホガニー」の人気もとても高かったのですが、世界中で乱伐が深刻化したことで、輸入出が制限されたり、ワシントン条約で取引が禁止されているものもあります。
そんな現状でもオーク・ウォールナット・メープルは多く取引がされており、安定して材料が供給される点も人気の理由です。
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オーク材とは?
ブナ科コナラ属の樹木で、世界には数百種類も生息していると言われています。ヨーロッパではかなり古くから親しまれており、家具や船舶だけではなく、ワインやウイスキーの樽を作る材料としても利用されてきました。
日本でも、住宅を中心に店舗などの公共施設の床材として親しまれており、「無垢材=オーク材」というイメージを持つ人も少なくありません。
たくさんある品種の中でも、ヨーロピアンオークやカナディアンオークなどのホワイトオークと、アメリカに生息しているレッドオークが主流で、丈夫で高耐久なためフローリング材や家具によく使われます。
新品の自然な木目や色合いもさることながら、経年変化による深みある変色も人気で、耐朽性にも優れています。また、塗装のノリもいいため、お好みの色を表現したい場合にもおすすめです。
汎用性が高いため、多種多様なインテリアデザインと相性がいいのが人気の理由と考えられます。
種類 | 落葉広葉樹(ブナ科コナラ属) |
主な生息地 | ヨーロッパや北米 |
特徴 | 高耐久・塗装しやすい・軽編変化による自然な変色 |
価格 | ★★★(3/5) |
ウォールナット材とは?
クルミ科クルミ属のウォールナットは、柔らかな木目が人気です。世界三大銘木の一つとしても知られており、チーク・マホガニーと併せて高級木材として取り扱われています。
主に北米産のブラックウォールナットが主流で、日本では 「ウォールナット=ブラックウォールナット」として認識されています。少し紫がかったダークブラウンが特徴で、真っ直ぐ成長するため、木目も均一に直線的です。
適度な粘りと硬さを持ち接着性にも優れているだけではなく、温度や湿度の影響で反りや割れ、変形が発生するリスクも少ないため、高い施工性や寸法安定性を保つことができます。また、オーク材同様、塗装ノリもいいので、内装材だけではなく、家具や装飾部材にも用いられます。
タンニンが多く含まれているため、それが紫外線によって酸化して、経年と共に落ち着いた色に変化していきます。
変色によって存在感のある味わい深い雰囲気になるのも、ナット系樹種の魅力でもあります。
古くから人気が高い樹種で乱伐を防ぐために取引が制限されていることもあり、良質で幅の広いウォールナット材は入手が困難で希少価値が高いとされています。
種類 | 落葉広葉樹(クルミ科クルミ属) |
主な生息地 | 北米 |
特徴 | 高耐久・高接着・湿度や温度による寸法の狂いや変形が少ない |
価格 | ★★★★(4/5) |
メープル材とは?
ムクロジ科(旧・カエデ科)カエデ属のメープルもたくさんの品種がありますが、その中で硬くて強度の高いものをハードメープルと呼び、主に床材として使われます。ブラックメープルとシュガーメープルが主なハードメープルです。
かつては国産のイタヤカエデや中国産カエデがメープル材としては主流でしたが、近年はヨーロッパ産のメープル(シカモア)や、北米産メープルも多く出回っています。また、ロシア産のイタヤカエデという品種はシルキーメープルとも呼ばれ、美しい光沢と木目が特徴的で、その他のハードメープルと比較してもより艶やかで美しい木目が表現できます。節目の少ない最高級グレードの物は、世界中で高値で取引されています。
ハードメープルの特徴は、ずばり高耐久な強度です。衝撃に強いため、ボーリング場のレーンにも使われるほどで、店舗など土足歩行の場所でも安心して採用できます。
新品の状態では全体が均一的に白っぽく、清潔感を連想させる色味です。経年変化によって褐色に変わりるため、紫外線が当たりやすい場所では、家具を置きっぱなしにすると色違いが発生するので注意しましょう。
種類 | 落葉広葉樹(ムクロジ科カエデ属) |
主な生息地 | 日本、中国、ロシア、ヨーロッパ、北米 |
特徴 | 高耐久・耐衝撃・特徴的な乳白色 |
価格 | ★★★★★(5/5) |
オーク・ウォールナット・メープルは価格高騰が懸念される?
新型コロナウイルス拡大に伴い、世界で第三次ウッドショックが起こりました。これは、アメリカでのリモートワーク増加や財政施策による新築住宅着工件数の急増と、中国での木材抱え込みが原因と言われています。
特にアメリカの新築住宅需要拡大の影響は大きく、米商務省センサス局の調べによると2019年12月は約156.7万棟だったのに対して、2021年12月は約169.5万棟にまで増加しています。(データ元:MINKABU FX|アメリカ・住宅着工件数)
これにより、オーク、ウォールナット、メープルの主要産出国である北米(アメリカ)の自国での需要が高まり、それに伴い輸出額が高騰しました。今後もその傾向は続くことが予想されています。特に、日本はアメリカからの丸太輸入への依存が大きいため、今後の情勢変化にも注目しなくてはいけないでしょう。
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恩加島木材の豊富なラインナップでデザインの幅が広がります
今後も、更なる価格高騰や納期遅延が懸念されるオーク・ウォールナット・メープルですが、「人気だから」と決めつけて安易にデザインを決めてしまうと、予算や工程とのズレが発生するリスクは否めません。
そこで重要なのが、情報に囚われすぎずに豊富な樹種を検討してみることです。知らなかった樹種でも、イメージに合うものが見つかるかもしれません。
私たち恩加島木材は国内外問わず様々な産地で育った良質な天然木から作られた突板を取り扱っているため、お客様のニーズに合わせた幅広い樹種をご提案できます。
常備在庫はおよそ400束に上り、その豊富なストックから仕様に合わせて一枚一枚丁寧に突板を選定しています。
お客様がイメージする空間になるよう、木柄や色合いなどを見極めていきます。
この工程を行うことが許された職人は社内でもごくわずか。
化粧合板のデザインが決まるとても重要な工程です。また、地産材活用のご要望があった際には原木の調達も行っています。お客様が思い描く空間づくりにとことん向き合うことが弊社のこだわりです。
引用:恩加島木材工業株式会社|恩加島木材のこだわり
突板メーカーとして培ってきた確かな目利きや、木の特性を知り尽くした熟練した技を生かして、常に皆さまにご満足していただける製品づくりに取り組んでおります。
「オーク・ウォールナット・メープルだと、イメージと合わない」「予算内でおしゃれな空間を作りたい」…、そんな時にはぜひ恩加島木材へお気軽にご相談ください。
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恩加島木材の取り組み
私たち恩加島木材では、国内各地の地産材利用も積極的に行なっております。
突板の流通市場に頼らずに原木市場や製材所から直接仕入れて、自社で選木・加工・販売することも可能です。原産地を日本国内に限定した樹種を常時取り扱っているほか、地産材を利用した突板も数多くご注文いただいております。その建物の社会的価値を高めるためにも、ぜひ国産材を使った突板製品をご検討ください。
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
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下記ページでは、当社が常時取り扱っている国産材を使った突板のラインナップや納入実績を紹介しています。ぜひご覧ください。
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地産材についてさらに詳しく知りたい方は、下記コラムも合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
〈日本初〉大臣認定取得|恩鹿島木材の“不燃突板複合板”
建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。
天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ15mm)を貼り合わせた材料です。
しかし、今までの不燃突板複合板には施工上の問題点がありました。
- 重い
- 割れやすい
- 高コスト
- ビスが効かない
それらの問題を解決したのが、「恩加島木材の不燃突板複合板」です。
天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 針葉樹合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。
まとめ|特性や風合いを見比べて適した樹種を選びましょう
オーク・ウォールナット・メープルは、施工性や汎用性、耐久性の観点からとても人気の高い樹種です。しかし、今後は価格が高騰したり入手するいこと自体が困難になることも予想されます。そのため、人気樹種に囚われすぎずに視野を広げて様々な樹種について検討することが重要となるでしょう。
私たち恩加島木材では、様々な木目の化粧板やルーバー・リブパネル、有孔ボードなどを製造販売しております。そのため、空間全体をトータルコーディネートすることも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材にご相談ください。
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当社の納入実績は下記ページをご覧ください。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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