樹種別の特徴や木目のトレンドは?
恩加島木材の人気樹種や選び方のポイントを解説
皆さんは、木目を生かしたデザインをする際に、どのような観点から樹種を選んでいますか?トレンドやコストを重視することはもちろん必要ですが、それぞれの特徴を理解しなくては、イメージに合う樹種はなかなか選べません。
そこで、今回は樹種を選び際のポイントや、人気の樹種を紹介します。「木目のイメージがあるが、どれを選べば良いか分からない」という方は、是非参考にしてください。
・コストや納期、原産地なども樹種選びのポイント。
Contents
樹種を選ぶときのポイントは?
まず、樹種を選ぶ際のポイントを紹介します。主なポイントは、下記の5つです。
- 色味
- 木目の雰囲気
- 木柄の種類
- 原産地
- 建物用途
どのポイントを優先するかによって、必然的に選択肢は狭まります。では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
その① 色味
まず、最もデザインに影響を及ぼすのが「色味」です。主に、茶(ベージュ)系・赤系・白系・黒系に分類できます。
茶(ベージュ)系
最もポピュラーで、汎用性が高いのが特徴で、あまり好き嫌いが分かれないため、無難な印象になります。また、落ち着いた印象になるので、学校や病院などによく採用されます。
主な樹種:オーク、タモなど
赤系
主張が強く、レトロなイメージが強いのが特徴で、木目によってかなり印象が異なります。また、ページュ系より暗い印象となるため、シックなデザインに適しています。
主な樹種:マホガニー、チェリー、カバなど
白系
ナチュラルな印象が強く、明るい印象になります。そのため、人気の高い北欧風デザインなどと相性が良いです。ただし、木目が目立つため、樹種によって印象が大きく異なります。
主な樹種:メイプル、ホワイトアッシュなど
黒系
個性的な印象の黒系は、シックデザインやモダンモダンデザインとの相性が良いです。ただし、圧迫感があるため、狭い空間にはあまり適していません。
主な樹種:ウォールナット、ウェッジなど
このように、色味によって与える印象は大きく変わるため、空間をどのような雰囲気にしたいかによって、適切な色味を選ばなくてはいけません。
その② 木目の雰囲気
色味だけではなく、その木が持つ特有の木目にも着目しましょう。木目がはっきりしているかどうかや、直線的もしくは曲線的か、節が目立つかどうかなどをチェックしましょう。また、木のパーツを合わせた集成材も雰囲気がかなり異なるため、合わせて検討が必要です。
その③ 木柄の種類
天然木をスライスする方向によって、同じ樹種でも現れる木目は異なります。木目に対して平行に切り出す「柾目」は直線的な木目が現れ、逆に直行して切り出す「板目」は波形の模様になります。また、稀に現れる特徴的な木目を「杢(もく)目」と呼び、希少価値が高いです。それぞれ、雰囲気がかなり異なるため、適したものを選びましょう。
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下記コラムでは、木目の種類について詳しく解説しています。是非合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|木目の違いでイメージが大きく変わる。板目・柾目・杢目の違いや突板の貼り方まで徹底解説
その④ 原産地
原産地で樹種を選ぶのもおすすめです。例えば、アフリカや南米、東南アジアなど通年中暖かい地域は、節の少ない樹種が多く、高耐久・耐虫害が特徴です。また、北米・ヨーロッパ産は環境性能基準に適応した豊富なバリエーションが揃っています。
そして、最近ではSDGsや脱炭素化の動きが盛んになっているため、国産材や地産材を採用する現場も多いです。日本は森林大国であり、さらに春夏秋冬があるため、多様な樹種が育ちます。
〈関連コラム〉
下記コラムでは、国産材や地産材の魅力について解説しています。興味のある方は、是非ご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
その⑤ 建物用途
建物の用途によっても、適した樹種は異なります。例えば、学校や医療施設にはコストや清潔感、明るさが欠かせませんし、店舗やホテルは個性やラグジュアリー感が必要な場合もあります。また、大きな面積に施工する場合は、集成材を選ばなくてはいけません。このように、建物の用途に合わせて色味や木柄を選定することで、空間に違和感のない仕上がりになります。
木目にはトレンドはある?
設計デザインに木目を取り入れる際に、トレンドを抑えることが求められる場合もあるでしょう。では、一体木目のトレンドを知るためには何を参考にすれば良いのでしょうか?
建築関連雑誌などを参考にする他に、最新トレンドを見極める際に参考になるのが、ミラノサローネです。ミラノサローネとは、毎年ミラノで催される世界最大級の家具見本市で、正式には「Salone del Mobile.Milano サローネ・デル・モービレ・ミラノ」と呼ばれています。ここ数年は、マホガニーやローズなどの赤系が多く出品されていますが、オークやウォルナットなどの定番樹種も毎年人気が高いです。
その他にも、人気の樹種を選ぶ上で知っておくべきものが「世界三大銘木」です。1800年代後半以降、ヨーロッパを中心として家具に多く使われた「ウォールナット・チーク・マホガニー」が世界銘木とされており、長年人気が高い樹種です。ただし、現在はマホガニーの取引はワシントン条約(CITES)で制限されているため、非常に希少価値が高く高価になってしまいました。恩加島木材では、マホガニーの代わりに同じセンダン科の「サペリ」を取り扱っていますので、そちらもおすすめです。
恩加島木材で人気の樹種5選
私たち恩加島木材では、常時400束もの豊富な突板レパートリーを在庫しています。ここでは、その中でも特に人気の5種類を紹介します。是非樹種を選ぶ際の参考にしてください。
ウォールナット
原産地 :北米
価格 :★★★★(★=安い、★★★★★=高い)
入手レベル:★(★=簡単、★★★★★=困難)
色味 :黒系
木柄種類 :柾目・板目・杢目(ロータリー)
耐衝撃性が高く、木肌が美しいのが特徴で、伸縮や反りが少ないため、加工しやすく寸法性が安定している点もメリットです。最初は写真のようにダークブラウンですが、経年変化によって明るく赤みを帯びてくるため、“時間の経過”も楽しめます。また、油分を含んでいるので、艶があり高級感も感じられます。
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スギ(杉)
原産地 :日本
価格 :★★★(★=安い、★★★★★=高い)
入手レベル:★(★=簡単、★★★★★=困難)
色味 :白系
木柄種類 :柾目・板目
杉は代表的な針葉樹であるため、木目がまっすぐなのが特徴です。最初は白系ではあるものの、経年変化によって褐色化し、和風な印象が強いため主に和室の造作部に使われます。
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タモ
原産地 :日本
価格 :★★★(★=安い、★★★★★=高い)
入手レベル:★(★=簡単、★★★★★=困難)
色味 :茶系
木柄種類 :柾目・板目 ※その他、「タモ集成」のラインナップあり
硬くて加工しやすく、さらに弾力性や靭性もある柔軟性の高い樹種です。木目がはっきりと見えるため、デザインのアクセントとして使いたい場合におすすめです。色味は最初は白っぽい茶色ですが、経年変化によって褐色化していきます。
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恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧|タモ
恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧|タモ集成
ナラ
原産地 :日本
価格 :★★★(★=安い、★★★★★=高い)
入手レベル:★(★=簡単、★★★★★=困難)
色味 :茶系
木柄種類 :柾目・板目・杢目(ロータリー)※その他、「ナラ集成」「ナララスティック」のラインナップあり
ナラ材や産地によってオークとも呼ばれる材料で、硬く耐衝撃性に優れているため、カウンター材や家具にも多く使われる樹種です。恩加島木材ではより安価な集成タイプや、無骨でオーガニックな印象のナララスティックタイプも取り扱っています。
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恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧|ナラ
恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧|ナラ集成
恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧|ナララスティック
ホワイトオーク
原産地 :北米
価格 :★★★(★=安い、★★★★★=高い)
入手レベル:★(★=簡単、★★★★★=困難)
色味 :茶系
木柄種類 :柾目・板目
木目が美しく、色味は白っぽい茶色なのが特徴です。ナラ材と似ていますが、より明るい色味で清潔感があります。また、経年変化により段々と深みのある色になるため、長年使われ続ける建物へ取り入れるのもおすすめです。
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樹種選びに困ったら「取扱樹種」ページをご覧ください
恩加島木材では、常時40種類以上の樹種を取り扱っており、さらにそれぞれ複数の木柄や産地を用意しております。その数多い取扱樹種から、お客様のイメージに合ったものを選ぶ際には、是非検索機能を活用してください。
取扱樹種一覧ページでは、下記項目ごとに検索できるようになっています。
- 原産地(日本、ヨーロッパ、南米、北米、東南アジア、アフリカ)
- 価格(★〜★★★★★)
- 名前(ア行〜ワ行)
- 色(茶・赤・白・黒)
- 用途(オフィス、商業施設、医療・福祉など)
- 木柄(柾目・板目・杢目・集成柄)
また、樹種ごとのページでは、入手レベル(入手しやすいかどうか)も明記しておりますので、大量に必要な場合や、短納期で必要な場合は、そちらも参考にしてください。
恩加島木材の取り組み
私たち恩加島木材では、国内各地の地産材利用も積極的に行なっております。また、原木市場に頼らずに原木林から直接仕入れて、自社で選木・加工・販売することも可能です。原産地を日本国内に限定した樹種を常時取り扱っているほか、地産材を利用した突板も数多くご注文いただいております。その建物の社会的価値を高めるためにも、ぜひ国産材を使った突板製品をご検討ください。
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
まとめ|樹種によって印象は大きく変わります
空間の用途に合ったイメージ作りには、選ぶ樹種が大きく影響します。ですから、色味や木柄だけではなく、どのような経年変化が起こるかなど、多岐に渡った視点で選択しなくてはいけません。また、公共施設においては、コストや入手のしやすさも重要なポイントです。
私たち恩加島木材では、常に多数の樹種を取り扱っており、その他細かい原産地の指定や、各種オーダー加工など、お客様に寄り添って製品を提供しております。また、化粧板に限らずフローリング材やルーバー、有孔ボードなどとのトータルコーディネートも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材にご相談ください。
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当社の納入実績は下記ページをご覧ください。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問や要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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